プロテイン置き換えダイエットとは(+やせたい女性の天敵撃退ガイド)

体重増えちゃった、どうしよう……。そんなふうに青くなってはいませんか。ダイエットのかなめは二つ。運動と、食生活の改善です。常識といえば常識なので、次の疑問は「具体的に何をどうすれば?」ですよね。

この「食事」の部分でヒットする減量法に、「プロテイン置き換え」というのがあります。何を隠そう、5か月前の私はまさにそれを探していたんですよ。

今回はその具体的なやり方と、私の周囲のダイエットにまつわるエピソードをつづってみたいと思います。「なんか聞いたことがあるけど、一体どうやるの?」と5か月前の私のように情報社会をさまよっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

はじめに:女性のダイエットには、天敵がひそんでいる

さて、すぐにでも本題に入りたいところなのですが、その前に女性の読者へどうしても話しておきたいことがあります。

少し前、私は道端で小・中学校時代の友人にばったり出くわしたんですよ。彼女から聞いたんです。私が小学校低学年のころいちばん仲良くしていた子が、ダイエットをきっかけに拒食症を患い、亡くなった、と。

その瞬間の感覚は忘れません。頭から血の気が引いて、ぐらっときたものでした。

20代以降の読者なら、同級生が亡くなったと聞いて驚いた経験の一つや二つはあるでしょう。この歳になれば、人それぞれいろいろあるもの。知り合いが何十人、何百人もいれば、大病を患ったり事故に遭ったりする人も確率的に出る。人生そういうものではあります。

ただ、そんなのは確率論にすぎません。その子と私は小さいころ親しかったし、原因が原因なのでショックでした。あの子が、明るかったあの子が、栄養失調で息を引き取ったなんて……。

「摂食障害」は「ものを食べられなくなる(拒食症)」または「拒食から一転、突然大量な食べ物をとるようになる/過食と嘔吐をくりかえす(過食症)」という病気で、患者の多くは女性、とくに思春期・青年期の女性です。境界性パーソナリティ障害などを併発している場合もあり、治療では認知行動療法等を時間をかけて行いますが、病気としては重いです。患者の6~7%が死亡すると報告されているんですから。巷を見回しても、死に至る病なんてそうそうあるものではありません。医学では「摂食障害の原因はいまだ不明で研究中」となっているのですが……「やせているのが美しい」という文化がある地域に多いのは確かです。(周りの人が摂食障害かもしれないと思ったら、必ず医療機関で相談してください。)

しかも恐ろしいのは、拒食症の本人には病識がない、つまり自分が拒食症だと気付いていないケースが多いという点なんですよ。「ダイエット中だ」と言ってほとんど食べない女の子を、家族が「これってもしかしてうわさの拒食症じゃ……?」と心配すると、「私がんばってこんなキレイになったのに、なんで病気だなんて言うの? ひどいよ!」といった感じで本人が不本意がることもめずらしくないとか。

つまりですよ。ダイエットしているつもりが、自分では気がつかないうちに拒食症になっていて、はっと気づいた時にはすでに難病が進行していた……なんていうことになりかねないんですよ。摂食障害は、やせたい女性の天敵です。

ダイエットが原因で拒食症になりものを食べられない女性
「やせなきゃ……」「太っちゃだめ……」は人をがんじがらめにする。摂食障害に苦しんだ元患者さんの体験はショッキングだが、そういうことがあるのだとは知っておいたほうがいい。

拒食症で亡くなった旧友について私が聞いたのは、恋愛で悩んでいたということ、成人式では同窓生の前にほとんど姿を現さず(私も会っていない)、唯一の目撃者によればその時点でガリガリだったということ、そして、彼女のお母さんがゼリー飲料を大量に買い込んでいたということです。あとのことはわかりません。私が勝手に憶測を重ねるなんていうのは、本人の名誉と尊厳を傷つける失礼きわまりない行為。私がここできれいなことを言うのは偽善にしかならないんだということも分かっています。だって、彼女はもう、いなくなってしまったのだから。私から言えるのは、これだけです。闘病生活はどんなにつらかっただろう、いまはどうか安らかに、と……。

ウエストを数センチ削るつもりで、体を全部なくしてしまった。自分の存在自体を失ってしまった。そういう女性が、実際に出ているのです。

私が「どうかご無事で」なんて叫んだら、世のダイエット希望者は「なにを大げさな」と吹き出すかもしれません。「エベレストに旅立つ登山家か私は!」なんていうツッコミが返ってくるかもしれませんね。でも私は本気なんです。私の旧友は、ダイエットの道中で、命を失ったのだから。

これを読んでいるあなたには、決してそんな悲しいことにならないでほしい。私は切にそう願いながら、この記事を書いています。

私が体重を落とそうと決めた時、最初に感じたのは「恐怖」でした。「本当にやせられるかな……」と成功率に不安を感じるのではなく、難病と死が怖かった。だから、女性の天敵・摂食障害に食われることない減量法をしっかり調べて、それから実践したのです。

人間の体には、必要な栄養があります。いくら体重を減らすといっても、食べることは前提で考えなければならない。私はそう言いたいのです。ダイエットするなら、「食事を減らす」ではなく「食事を変える」というふうに発想をずらしてほしいと思います。

プロテインって何?

さて、「プロテイン(protein)」とは、直訳すれば「タンパク質」のこと。肉や魚に多く含まれていて、私たちの筋肉や血管、骨、皮膚や髪の毛などをつくる、生きていくのに欠かせない栄養素です。

そしてこの記事でいう「プロテイン」は、粉状で、牛乳や水にとかして飲むタンパク質飲料です。ビタミンやミネラルが配合されていて、カロリーは低く、脂質や糖質はほぼゼロ。ココア、バニラ、ミルクティーなどの味がついていて飲みやすくなっています。

フィットネスやダイエットに活用できるプロテイン
プロテインとはこんな粉末。

プロテインには、原料によっておおよそ2種類があります。「ホエイ(whey)」と「ソイ(soy=大豆)」です。

ホエイとは、牛乳からチーズをつくる時にできる上澄み液のようなものです。これを原料にしたホエイプロテインは、主にスポーツをやっている人が筋肉をつけるために飲みます。トレーニング後に飲めば、回復の助けにもなります。私はこれを聞いた時、「そういえば運動部の子が飲んでたなー」と思い出しました。フィットネスをやっている一般人だけでなく、トップアスリートもこれを飲んでいるんですよ。

一方、ソイのほうは、植物性のタンパク質。厳密にはホエイを減量に活用することもできるらしいのですが、スポーツ栄養学の深いところは我々一般人にはむずかしいので、「ダイエットならソイプロテイン」と割り切ってしまっていいでしょう。

プロテインを手にした女性
シェイクしたプロテイン。ジムではトレーニングの後、このように粉末と水(または牛乳)をシェイカーに入れ、振って混ぜて飲みほす人が多い。

売っている主な場所は、薬局かスポーツジムです。足を運んでみてください。

棚へ行くと、女性向けにコラーゲンなど美容成分が配合してあるソイプロテインが何種類も並んでいます。女性にはそっちのほうが魅力的に映るかもしれません。ただこのような美容系だと、タンパク質の含有量はうんと減ってしまうんですよね。置き換え本来の目的を果たせなくなりかねないので、とりあえずは普通の(スポーツ向けの)ソイプロテインをおすすめします。

では、一見スポーツ用品のプロテイン、ダイエットにはどう活用できるのでしょうか。

「プロテイン置き換え」の具体的なやり方

かんたんに言えば、「食事のうち、肉・魚の部分をプロテインに置き換える」のがそのやり方です。主食・主菜・副菜がきちんとそろった定食を思い浮かべてみてください。その「焼肉」とか「焼き魚」を、プロテインにとりかえる。これを1日1~2食で行います。

あくまで「置き換え」なので、食事をプロテイン飲料だけですませるという意味ではありません。ダイエット産業にはそのようにうたう業者もいるようですが、これでは「必要な栄養はとる」という目的からそれてしまいますので注意してください。

現代人が栄養バランスにとりわけ苦戦するのは昼食です。パンやおにぎりだけだと、栄養が炭水化物だけにかたよってしまいますよね。「わかっちゃいるけど、だからってどうすれば……」と悩んでいるのは、5か月前の私だけではないはずです。

「だからサンドウィッチにしている」という人もいるかもしれませんが、具材をよーく見てみてください。はさまっているのは肉といってもハム半分、野菜といってもレタスの切れっぱし……ではありませんか。これでは炭水化物だけの食事とほとんど変わらないんですよ。現代人、とくにダイエットを考える人はつい「食べすぎ」を疑うものですが、食べ過ぎどころか、タンパク質等を1日の目安量とれていない(つまり栄養不足!)という人、実は多いんです。この飽食の時代に栄養が足りてない? 太って困ってるのに?? そんなバカな!――「飽食」とはいうけれど、どーんと増えたのは脂質・糖質だけなんですね。各栄養素がまんべんなく、理想的に多くなったわけではないんです。

そこで、主食だけだった昼食にプロテインを足したらどうでしょう。「足す」といっても、これは主菜の置き換えをしているのと同じです。体に必要なタンパク質とビタミンやミネラルを摂れるので、カロリーは押さえたまま、ぐっと栄養バランスがよくなります。5か月前の私が求めていたのはまさにこれ。何年来の問題がスパッと解決しました。

……ある女性(客観的には太っていない)が、やせるためだと言って昼食をチョコレート1個にしたという話を耳にしたんですけど、これ本当に最悪ですからね。タンパク質もビタミンもミネラルも足りず、しかもその唯一の食べ物は糖分の塊なので、ダイエットとしての効率も最悪。お腹がすいてつらいだけで、なんのいいこともありません。案の定、歯がボロボロになったりしたそうです。こういう「ただカロリーを減らす」自己流のやり方は、リバウンドのしやすさもピカイチです。しかも、栄養が不足すると肌や髪が荒れたり、疲れやすくなる、けがをしやすくなる、けがが治りにくいなど、別のところに健康被害が出てきます。たまに流行る「○○抜きダイエット(主食の炭水化物を一切食べないとか)」の類も同じこと。女性なら、天敵・摂食障害の影もしのびよってきますからね。

地球上の人間という生物にとって、食べることは生命を維持するいちばんの基本です。「命」だけは押さえておかなければ、健康もキレイもなにもありません。

プロテインに置き換える意味―何をしようとしているの?

タンパク質は、成人だと一日に体重1kgあたり1g必要です。たとえば60kgの人なら60g。フィットネスをする人なら1kgあたり1.5g、プロのアスリートになれば2gまで増えます。

ところがこの量のタンパク質を食事から摂ろうとすれば、同時に脂質を何十グラムも摂取してしまうんですね。

そこをいくとプロテインは、脂肪と糖質を極限まで除去してあります。なので食事中のタンパク源をプロテインに置き換えれば、人体に必要なタンパク質はそのままに、脂質と糖質をカットできる。やろうとしているのはそういうことです。

このように意味を理解しておけば、いろいろ応用がききますね。たとえば、脂っこいものを毎食食べている人。スイーツをドカ食いする……わけではなくても、一日の食事で糖分が少しずつ積み重なり山となっている人(私はこれだった)。お酒が好きで毎晩飲んでいる人。状況は人それぞれですが、食事の改善点発見に役立つと思います。

ダイエットは総合力―増えるも減るも、人体はとても複雑

体重は、代謝量を摂取カロリーが上回れば増え、下回れば減る――このとてもシンプルな原則は、一応本当です。……本当なんですけど、人体のメカニズムは、現代医学でも完全には解明できていない未知の領域。体重が増えたり減ったりする要因は、ほかにもいろいろあります。ストレスで太る、あるいは逆にストレスでげっそりやせ細るなんていうのはうなずけますね。

現代において、ダイエットは一大産業になっています。テレビ番組が「なんとかダイエット」を特集したら翌日にその食品がスーパーの棚から消えた……なんていうことはよくありますね。しかし、「○○をすれば(=それだけをすれば)やせる」という単純明快なパターンが実現することはありません。このことはプロテイン置き換えだって同じです。

せっかくなので、ここではダイエットの食生活以外の部分についても触れておきたいと思います。

体組成の計測:自分を知らないことにははじまらない

体質や生活習慣は、百人いれば百通り。まずは自分の現状を知らないことにははじまりません。

体組成とは、体重、筋肉量、体脂肪量、体脂肪率などのこと。スポーツジムや公共の健康センターなどで計ってもらえます。料金は、無料~1000円程度。敷居は高くありません。筋肉や体脂肪は、全身だけでなく胴体・右腕・左腕・右脚・左脚別に出してもらえ、適正値と比べることができます(適正値は変更されることもあり、決して絶対ではないんですけどね。あくまで目安です)。それに応じたアドバイスは、たいてい結果表にプリントされてきます。計ってくれた人に聞いてみるのもいいでしょう。

あるいは、高性能な体重計なら体組成測定機能がついています。

それから、健康診断でどこかの項目を指摘されガクッ……という方。落ち込んだとは思いますが、これはこれで自分の目標を定めるチャンスではあります。ばく然と一般に向けられた情報とは違い、自分だけにピンポイントがしぼられた診断結果ですからね。

ダイエットが必要な場合、体に無理がかからずリバウンドしにくい適切なペースは、1か月で最大-2kgです。けっこうゆっくりなんですね。

「やせたい」……本当に?

では、体組成を計って「適正」と出たなら?

おめでとうございます! 健康上問題がないなら、そもそもダイエットなんて必要ありません。

もしスタイルアップのためにダイエットを考えていたなら、少し筋肉をつけて引き締まったボディを目指すとか、この際なので体にやさしいグルメを開拓するとか、あるいは新しい趣味を見つけて心をみがく、自分のよさを発揮できる仕事を探すなど、別の方向を探ったほうがいいでしょう。ダイエットはこの世のすべてでも何でもありません。もっとステキな自分になりたいなら、心の内側から、生き方から、というように、いろんな角度から自分をみがかないと。

アート、ダンス、フィットネス、読書、旅行、料理、自然とのふれあい、語学、取りたかった資格、自分らしい仕事――。いいエネルギーをチャージすることで、人は心から輝ける。

せっかくおいしいものが目の前で湯気を立てている時に、「これ食べて太ったらどうしよう」なんて後ろめたい気持ちを抱えているのはもったいないですよ。おいしいものは、素直に、気持ちよく、おいしく食べたほうがいい。人生、幸せなのがいちばんです。

そもそも、「自分はどんなルートを経て『やせたい』と思うに至ったのか」という問いには、冷静に考える価値があります。とりわけ女性の場合、「『やせているとキレイ』という情報を発信したのは誰なのか」を意識したほうがいいでしょう。

たとえば、超スリムな女性が真っ白なウエディングドレスを着て「やせました!」とピースしている……それ、ダイエットサプリの「広告」じゃありませんか?

「自社製品を飲む(この部分はさりげなく)→やせる(正直うさんくさいけど)→キレイになる(彼氏がほめてくれたなど、ありそうなエピソードで説得力アップ)→幸せになれる(ウエディングドレスを「幸せ」の象徴として使っている)」という「イメージ」を発信しているのは、業者です。ここでの「やせているとキレイ」は、商売の都合で吹聴したことにすぎないんですよ。言葉や「イメージ」をそのままうのみにするではなく、どの「情報」にも作り手がいて、彼らには「大人の事情」があるのだということをしっかり意識したほうがいい。詐欺や悪質商法への対策にもなります。

あと、「やせているとキレイ」に「きゃしゃなのがかわいい」という意味を読み込んでいる女性(とくに中学生など、心に不安を抱えて自分に自信を持てない子)はいませんか。……やばいっす。この系統、真実は恐ろしくブラックですよ。

もうハッキリ言ってしまうと、これは女性を劣位に置こうとする文化の一部です。つまり「やせている(=弱々しい)とキレイ」の発信元は、もとをただせば、大昔の脂ぎった権力者のおっさんたち……。げんなりさせてすみませんが、世の中ってこれくらい恐ろしいんですよ。そこらでオレオレ詐欺なんかをやって捕まっているのは、ただのチンピラ。本当に実力のある悪人は、世の人をまんまとだまして逃げおおせます。ここで、「私は少女マンガの主人公が『やせたい』って言ってるのに共感したんだもん。作者の先生はもちろん女性だよ?」とか「人気モデルの○○ちゃんが『キレイになるためにがんばってやせた』って言ってたよ。そんな歴史の授業みたいな話、ぜんぜん関係ないじゃん」などと思ったそこのあなた。その少女マンガ家やモデルさんが、すでにだまされているんですよ……。時空を越えた「伝言ゲーム」であなたに回ってきた「やせているとキレイ」は、もとをたどれば、金と権力の欲にまみれた、脂でべとべとな世界が出どころです。若くて不安な女性が頭に描いているような、夢があってかわいらしい世界ではありません。実情は、どこまでもグロテスク。これが現実なのです。

「やせたい」という思いは、人の頭をいっぱいにしがちです。誰かからとんでもない宣伝文句を信じさせられたりしないためには、普段から視野は広く、文化などを含めいろんなことに興味をもっていたほうがいいでしょう。

さらに、摂食障害になるきっかけの王道「彼氏に太ってるって言われた……」系の悩み。最近ある女性が「やせてキレイになれば、彼はきっと戻ってきてくれる」と真剣にがんばっている、なんて話を聞きました。だけど、彼女を大事にしないあげく容姿に難癖をつけるなんて、その時点でダメ男っぷりを証明したようなものですよ。最初は彼のことが好きだったんでしょう。しかし、彼女のほうがどんなに一途でも、彼にはその想いを受け止める器がありません。彼の正体が明らかになったいま、こんな程度の男のために自分を犠牲にしないで。泣きながらダイエットどころか、怒っていいと思いますよ。踏ん切りをつけて、次のいい恋を探してほしいと思います。

最後にもうひとつ。十代も前半の若い女性だと、体のほんの数ミリのことですごく悩んだりするんですよね。周りの友達もそうだったり。だけど長い目で見れば、そういう時期はたった数年で過ぎ去ってしまうもの。そもそも、成長期に体重を減らそうだなんて、自然に逆らう破滅的な行為です。周囲のしがらみは静かにやり過ごしつつ、しっかり成長してください。

このように、世を飛び交って人々に「やせたい」と思わせている言葉やイメージは、少し引いた目で見れば、驚くほど陳腐な理由で発信されています。そういった意味でもダイエットだけにのめり込むのではなく、心や知性をみがいておきたいですね。

運動:ダイエットついでに自己肯定感を高めて、人間関係や仕事も上々に!

ダイエットの要二つのうち、運動のほうは「めんどうくさい」とか「つらそう」となりがちですね。しかしどうでしょう。本当に、運動はそこまでつらいものなんでしょうか。

なぜ多くの人は運動がきらいになってしまうのか。ひとつには「他人の目が気になるから」というのがあると思うんですよ。最近街に次々オープンしている「暗闇ジム」は「運動しているところを見られたくない」という声に応えたものだ、というのがそれを物語っていると思います。

ただ、実際に体を鍛え始めてみれば、他人の目がどうのという状況にはなりません。なぜなら、自分の運動、自分の目標、自分の成果は、自分だけのもの。他人はしょせん、他人でしかないんですから。

体を鍛えようとすれば、自然と自分の身体を意識するようになります。まちがったトレーニングをすればその部分を痛めてしまうし、そうなれば治るまでトレーニングはできません(私もすでに二度やった)。こうして、トレーニングをする人は、自然と、自分にていねいに接するようになっていきます。「自分」を体感することは、摂食障害の患者さんが課題とする「身体のイメージをつかむ」ことでもあります。

また、トレーニングを続ければ「できなかったことができるようになった!」という経験をたくさん重ねることになります。

こうした体感や体験は、自己肯定感につながります。

「自己肯定感」とは、他人と比べた優劣を基準とせず、等身大の自分に価値があると思える感覚のこと。この自己肯定感を高めれば、人生いつでも、安定した自分でいられるようになります。

この自己肯定感、実は人間関係をよくするためにも、仕事で成功するためにも、なくてはならないマインドなんですよ。

自己肯定感はビジネスを成功に導く!

もし人間関係や仕事がうまくいかないと悩んでいるなら、自分の心のなかをのぞいてみてください。「自分なんて……」という気持ちがはびこってはいませんか。

あるいは、あなたの周りに、いじめをする人とか、パワハラをする上司とか、嫌味ばかり言う家族などはいませんか。もしこういう「暴れん坊」に困っているなら、一歩引いて観察してみてください。彼らは十中八九、素の自分に価値を感じられない不安を、誰かを支配することで解消しようとしている人たちです。表向きは攻撃的でいばり散らしている彼らですが、本当は自分に自信がありません。それで「他人より上の自分」を誇示することで――つまり、他人と比べて優越感にひたることで――自分を確かめようとしているんですね。まったく困ったものです。

そこをいくと、運動で向き合うのはあくまで自分自身。自分の身体は尊厳ある大事なものだということ、自分と他人は別の「個体」であること、自分の「意識」は自分だけのものであって他人のそれとはまざっていないことは、トレーニングを続けるなかで体感・体得することができます。その時目を上げれば、すべての人間には自分と同じ重みがあるのだということも、きっと実感できるはず。

自分をケアすることは、運動のなくてはならない大事な一部。自分をそっとやさしくいたわるのは、心の基礎づくりにもなる。

クラスの誰それのほうが足が速くてうらやましいとか、マット運動の技ができないとかっこ悪いとか……そういう学校の体育で抱く感情は、運動の本質に由来しているわけではないんですね。

腹筋を鍛えるなら家でも手軽にできるし、やってみれば5分もかかりません。(やり方はこちらをどうぞ。)女性だと「筋肉モリモリになるのでは……」と心配する人がいますが、一般人の普通の筋トレではマッチョにはなりません。なれません。心配ご無用です。

脂肪燃焼には有酸素運動。ジョギング、スイミング(重い肥満の人にはひざなどに負担がかからないのでおすすめ)、エアロビクス、ジャズダンス、スポーツジムのエアロバイクやステップなどがあります。20~30分くらい続けるのが目安です。

以上のように、運動には、心にもよい作用があるのです。

殺伐とした世の中。あっちでもこっちでもダメだダメだと言われ続けて、心がボロボロになってはいませんか。

誰とも比べることなく、心の目を自分だけに向ける時間は必要です。自分の尊厳に気づきましょうよ。もしかしたらダイエットの運動をきっかけに、仕事や人間関係が明るく開けていくかもしれません。

食わず嫌いせず、まずはできそうなトレーニングからやってみることをおすすめします。ハマってきてスポーツウェアを新調するころには、「暗闇ジム? 暗いからやだよ」とほほえむ自分になっていることでしょう。

サプリメント:やせ薬ではないけれど

薬局にズラリと並ぶ健康食品。プロテインも広い意味ではサプリメントの一種なのですが、ビタミン剤や健康食品の系統についても触れておきます。

「飲めばやせるサプリメント」はありません。もしもそんなものがあったら、まごうことなき毒物です。殺人に使われること請け合いなので、そこらで普通に売るなんてできっこありません。

ただ、それを踏まえた上で「助けを借りる」という姿勢で活用するなら、サプリメントには効果があります。今どき、科学的根拠のないサプリメントなんて売ったら不祥事になってしまいますからね。有名メーカーなら、ブランドの名折れです。もしサプリメントに依存する気持ちで手を出すなら、流行にふりまわされる健康マニアで終わってしまうでしょう。しかし、自分の体組成をもとに自分に合った成分を主体的に探し出したなら、期待通りの効果を発揮してくれます。

選ぶ時の目安ですが、「特定保健用食品(トクホ)」は、効果について消費者庁長官の個別審査を受けた食品です。また、「機能性表示食品」は、審査はないもののメーカーが効果を消費者庁長官に届け出ています。「カルシウム」や「ビタミンC」のようにそのものズバリではなくいくつもの成分が配合されているサプリメントでは、これらの表示を確かめるといいでしょう。

なにせ健康食品は、悪質な業者がわんさかいる分野。変なものをつかまされないためにも、サプリメントはあくまで「補助」だと心に決めて、最低でも害のない商品を選びたいところです。実店舗でパッケージを手に取りながら探すか、オンラインショップなら信頼できるメーカーのものをおすすめします。

結びに―命をみがいて

「プロテイン置き換え」の具体的なやり方は、何を隠そう、今年1月の私が探していた情報です。それから5か月。今度は伝える側として、女性の天敵・摂食障害のことといっしょに自分のブログ記事にまとめました。いままさに情報を探していたという方は、ぜひ参考にしてみてください。

私はダイエット関連企業宣伝部の人間ではないし、自分の健康状態というのはメディアに載せれば別の問題が生じるデリケートな個人情報なので、くわしい経過については書きません。ただ、昼食の「プロテイン置き換え」をはじめ食生活を改善し、有酸素運動(私の場合はもともと音楽が趣味なので、ボイトレのリズム練習と運動をドッキングしました)を続けた結果、4月の時点で体重は約3kg、それにともない体脂肪率も減らせたとだけは言っておけば、読者のはげみになると思います。

実感があるのもいいですね。1月の私が危機感すら感じたお腹の張りから解放された時は、体に羽が生えたみたいでした。身が軽くなった実感は、とりわけ階段の上り下りで感じます。通年ではいているデニムのスカートもゆるくなりました。それからこっちは音楽の話なんですけど、4月に有酸素運動を本格的に始めたら、たった2週間でブレス量が明らかに増えたんです! 前まで途中で息を継いでいたフレーズが、一息で歌えるようになりました。天から光が降ってきたみたいにうれしかったですね。これからも適正値をめざして、気長に続けていきたいです。

この5か月、つらいと思ったことは一度もありません。計測結果で明らかになった「糖分も積もれば山となる」という問題は改めましたが、毎日3食、しっかり、おいしく食べています。運動で汗を流し、ぐーっとお腹が鳴ったあとは、いつものご飯が格別においしいです。近々、新しいトレーニングウェアを買いに行く予定です。

我々は人類ですから、知恵の力は存分に使っていきたいところ。「脂質・糖質をゼロにしたタンパク質」は画期的な発明品だと思います。もとはトップアスリートが使うスポーツ用品なので、あやしいサプリメントのような危険性もありませんしね。せっかくの発明品、置き換えという形で主体的に有効活用するなら賢明なことだと思います。

ダイエットをのぞむみなさん、どうかご無事で。命を大事に、自分を大事にしてくださいね。

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