スマホカメラ超ズームレンズ解説&ガイド

カメラの高性能化、機種の高額化がひとつの流れとなっているスマホ業界。インスタグラムの流行などもあって、ズーム倍率や画質に注目が集まっています。

そんななか、私の目に「10倍ズームに、飛び出るインカメラ」とのキャッチフレーズが飛び込んできました。「なんじゃそりゃ!」――興味がわいたので、今回は話題の機種について調べつつ、レンズやスペックの見方、綺麗な写真の撮り方、高性能スマホカメラはどんな人におすすめか、などを解説したいと思います。

「10倍ズーム」とは?

さて、パソコン誌・アスキーによれば、「10倍ズームに飛び出るインカメラ」の機種とはオッポジャパンの「Reno 10x Zoom」。7月12日発売のSIMフリースマホで、価格は税抜き99,880円です。

製品名からして「10倍ズーム」を目玉とするこのモデル。なんと、本体背面にアウトカメラが3つ並んで付いているという代物です。その3つとは、26mm相当の標準カメラ、16mm相当の超広角レンズ、そして130mm相当の望遠レンズ。

これらを組み合わせたハイブリッドズームでは、最大10倍のズームが可能(レンズを動かす「光学ズーム」では画質の劣化なし)、さらにデジタルズームでは60倍まで可能ということです。

スマホのカメラに限りませんが、「デジタルズーム」というのはレンズは動かさず「画像を拡大する」という仕組みなので、画質はどうしても粗くなってしまいます。なので、写真のクオリティを上げたいなら、自分のスマホやデジカメはどこまでなら綺麗にズームできるのか、あらかじめ知っておくといいでしょう。ズームはしないで撮っておいて後からトリミングなどの加工をする、あるいはスマホ用のコンバーターレンズを取り付けて撮影する、などという手もあります。

レンズのミリ数がピンとこないという方は、以前、初心者向け一眼カメラの記事で解説したので、実際に撮れる写真を見ながらイメージをつかんでもらえればと思います。

リンク:初心者の一眼レフカメラ おすすめポイントとは?(新しいウィンドウで開きます)

「Reno 10x Zoom」搭載の3つのアウトカメラをそれぞれ単体で見れば、なるほど、標準カメラの焦点距離26mmなら画角(写る範囲)は人間の目に近い自然な広さに、16mmは広角の範囲に入ってくるし、130mmなら望遠ですね。スマホカメラなので仕組みは一眼のレンズとは異なりますが、それら3つを組み合わせてズームするということで、「写真」への意気込みがつまったモデルだということはよく感じられます。

インカメラが「飛び出る」ってどういうこと!?

そして私が仰天したのはこちら。

インカメラが「飛び出る」って、

まさか、こういう

こと!?

度肝を抜かれた私は、詳細まできちんと読んでみました。

そうしたら、「飛び出る」とは、「本体上部に格納されているインカメラが、使用時に自動でせり上がる」という意味だったんですね。百聞は一見に如かず、画像はこちらでどうぞ。

なぁんだ、そういう意味だったのか。ビックリしたじゃないか……。ついにスマホカメラの光学ズームがデジカメレベルまできたのか、と想像してしまったのですが、たんなる早とちりでした。

しかしこの「飛び出すインカメラ」、なかなかよくできているようですね。スマホを落とした際には、ジャイロセンサーが検知して自動で引っ込むようになっているらしいです。きちんとユーザーの利便も考えてあるんですね。

せっかく調べたので、以下でも同機種をハイエンドモデルの一例にしようと思います。

話題の機種のスペックリスト

ズーム倍率が売りの「Reno 10x Zoom」、カメラの具体的なスペックは以下の通りです。

  • アウト標準:約4800万画素、F1.7
  • アウト超広角:約800万画素、F2.2
  • アウト望遠:約1300万画素、F3.0
  • イン:約1600万画素

カメラレンズのF値とは、レンズの明るさのこと。数値が少ないほどレンズが明るいことを意味します。レンズの世界では、明るいのはいいことです。F1.7といったら相当明るい部類ですね。

ついでに他のスペックで気になるところをピックアップすると、

  • ディスプレー:6.65型液晶(19.5:9.0)
  • 画面解像度:1080 x 2340
  • サイズ:約77.2mm x 162.0 x 9.3mm
  • 重量:約215g
  • CPU:Snapdragon 855 2.8GHz x 1 + 2.42GHz x 3 + 1.7Ghz x 4(オクタコア)
  • 内蔵メモリー:8GB
  • 内蔵ストレージ:256GB
  • 外部ストレージ:microSDXC(最大256GB)
  • OS:Android 9
  • USB端子:Type-C
  • 生体認証:顔、指紋
  • カラー:オーシャングリーン、ジェットブラック

ハイエンドモデルの新機種というだけあってどれも十分という感じではありますが、どうでしょう、気にかかるとしたら本体の大きさでしょうか。手元に定規があったら、ちょっと確認してみてください。横幅77.2mmなんていったら、そうとうズンときそうです。

自分のスマホと比較してみた

……と、数字だけずらずら文で並べても、いまいち実感がわいてこないですよね。

そこで私は、「飛び出すインカメラ」の「Reno 10x Zoom」と自分のスマホ「AQUOS Sense SH-01K」を比べてみることにしました。

まずカメラ。説明書のスペックリストを見てみたところ、私のは以下の通りでした。

  • アウト:約1310万画素
  • イン:約500万画素
  • 最大ズーム:約8倍

そういわれてみれば意識したことはなかったんですけど、私のスマホはデジタルズーム最大約8倍でした。倍率は、だいたいこのくらいが主流なようです。

あとでも触れる「iPhone X」だと、光学ズーム2倍、デジタルで最大10倍となっています。レンズ自体を動かす光学ズームを「スマートフォン」という薄っぺらい機械に搭載するのだから、開発者はさぞ大変だっただろうと察しますね。

ちなみにですが、私の機種「AQUOS Sense SH-01K」は画質について「青が綺麗に出る」ことを特長としています。これを如実に感じるのは、自分の写真を他の人のと比べたとき。他の機種だと私のより黄ばんだ感じに撮れるので、写真全体の印象は、本当にまるっきり違うんです。

スマホで撮影した青いあじさい。残念ながら他機種での写真はないが、青がここまで鮮やかに出るのはすごいことである。

なので、スマホ写真の画質にこだわりたい人には、画素数やズーム倍率だけでなく、もう少し細かな個性まで注目することをおすすめします。

そして本体のサイズ。私の機種はこんな感じです。

  • サイズ:約144 x 72 x 8.6mm
  • 重量:約148g

横幅72mmということは、「Reno 10x Zoom」のほうが5センチは幅が広いことになります。手のひらでの5センチの差は大きいと思いますが、そりゃあカメラを3つも付けてあるのだから、本体だって大きくもなりますよね。

iPhone X にはじまった、スマホの高額モデル

2017年に「スマホ」の始祖・Appleが10周年記念として大々的に発表した「iPhone10」。まぎれもなく高性能カメラと画質のよさを目玉にしたモデルでしたが、そういった機能面よりも、10万を超える価格が世界を驚愕させました。

このあたりから、スマホカメラの高性能化は一つの流れとなりました。そしてそれが今日、機種高額化の大きな理由となっています。

カメラは、スマートフォンの花形機能となった。

背景には「インスタ映え・SNS映え」の流行があります。撮ってすぐ投稿したいユーザーにとっては、いくら性能が良くても「大型カメラ→SDカード→パソコン」と経由するのはめんどうです。スマホ写真の高画質化は、こうしたユーザーのニーズに合っていたのです。

さらに高額化の一方、そういったスペックを求めていないユーザーのニーズに応えるべく、低価格帯モデルの競争も盛んになりました。必要だけは網羅し、価格を低くおさえた範囲内で最大限のスペックとオリジナルな魅力をつめこもうと、各メーカーの開発は活発です。市場は豊作といえるでしょう。

ユーザー層は意外かも?

では、高額をはたいてもハイエンドモデルがいい、と考えたユーザーとはどんな人なのでしょうか。

これ、実は、案外スマホにあまりくわしくないような人だったりするんですよね。ビジネスで0.1秒を争うから処理のスピードを求める、とか、データ量の重いアプリゲームを熱心にプレイする、というタイプのユーザーも世の中にはいるのでしょうが、私はまだ直接会ったことはありません。

私はかつて知人から、「知り合いが『iPhone X』を買って以来浮かれてまくっている」という話を聞きました。しかし私がよくよく尋ねてみると、その「iPhone X」ユーザーは主婦のおばちゃんで、「インスタ映え」にでもハマっているのかと思いきやInstagramはアカウントすらもっておらず、アプリゲームをプレイするわけでもない、とのこと。やっていることといえば、カメラで孫の写真を撮っては知り人に見せびらかすくらい。私が聞いたところでは、10万円を超える高性能機種「iPhone X」の機能・スペックのほとんどは、手つかずでなおざりになっているようでした。その人についてほかのエピソードも聞き出してみたところ、総じて言うなら、新しいもの好きな人、といった感じでしょうか。

この話は、ほんの一例にすぎません。ハイエンドモデルを持っている人が案外ライトユーザーだったりするケースは、他でもよく耳にします。

もちろん、「iPhone X」の使い方に決まりなんてありません。他人の買い物に口出しする理由もありません。本人が気に入って孫とハッピーだというなら、それで成り立っているといえるでしょう。私の知り合いも、「iPhone X」はモノとしてそれはそれは綺麗で、ちょっとほしくなってしまったと話していました。

私がここに記しておこうと思ったのは、昨今のデジタル生活について世間でよく言われる文言と、その内情とのギャップです。「スマホ」が時代のアイコンであるいま、「老若男女がモバイルデバイスを使えるようになった」とか「一人に一台簡易パソコンが行き渡った」などとよく言われますが、実情はどうなのか。リアルな実態を記録しておくのは、今後の新機種開発にとって、また「スマートフォン」の次なる新たな可能性を探るうえで、無駄ではないと思います。

高画質超ズームスマホが向いている人とは?―機種選びのコツ

スマートフォンの機種は、方向性の細分化が進んできました。ハイエンドスマホの華・高画質なカメラを筆頭に、処理能力の高さ(「速さ」を求める人は「CPU」に注目)、ディスプレイの美しさ、長持ちするバッテリー、ゲーマー向けの機能など、特長は機種によってバラエティに富んでいます。

なので、自分に合ったモデルを選ぶためには、機種替えに当たって「自分はスマホで何をするか・何がしたいか」をあらかじめハッキリさせておくことが大切です。

たとえば私の場合、「大は小を兼ねる」で、日々の作業はほぼすべてパソコンでこなします。複雑な作業には、パソコンの大容量メモリがなくてはなりません。何百ページにものぼる原稿を書くには、大きな画面が必要不可欠です。写真は一眼カメラで楽しんでいますし、アプリゲームはほとんどやらないし、ネット経由の雑事を携帯電話で行うのはセキュリティ・プライバシーの関係からむしろ避けたいと考えています。なので、私はスマホには特別な高性能は求めていません。電話とメールが使えるAndroid/iOS端末であればじゅうぶんです。「AQUOS Sense SH-01K」はどちらかといえば低価格帯のモデルですが、私は物足りなさを感じたことはなく、とても満足しています。

では、高画質の超ズームカメラ搭載スマホはどのような人に向いているでしょうか。

まずはなんといっても、写真を撮ってすぐ、インスタグラムなどSNSに投稿したい人。こういう希望があるなら、もう迷う必要はないでしょう。ハイエンドモデルとは「SNS映え」のためにある、といっても過言でないかもしれません。

SNS投稿目的のなかで少し変わったところだと、プロのフォトグラファーやアーティストなら有効な使い道があるかもしれません。「自分は(プロ向けのカメラではなく)スマホでもこれだけ綺麗な写真が撮れる!」と、ウデを自慢することができますからね。

次に、デジカメは持っているけれど携帯の写真もある程度大事だ、という人にも向いていると思います。出先の記念や食べ物を撮る人、あるいは赤ちゃんがいる人なんかになれば、サッと取り出してすぐ撮影した写真でも、なるべく高画質なほうがいいですよね。あるいは、書類やホワイトボードを撮って記録するなど、ビジネスシーンでスキャナー代わりにしている人は、カメラが高性能だと安心かもしれません。

ほかだと、生活で使うあらゆるものを一台にまとめたい、というタイプの人。電話やメール、サイトの閲覧だけではなく、メモ帳、電卓、辞書、スケジュール帳、地図、ドキュメント、音楽プレーヤー、翻訳、ニュース、ゲーム、支払い、クーポン、銀行口座、ストップウォッチ、歩数計など、「すべてをスマホ一台に集めたい!」という志向の人は時々いますよね。なら、カメラだって一眼を持ったりはせず、スマホに「おまとめ」したいはずです。

このように、まずは自分のニーズを見定めることです。自分にぴったりな機種に出会って満足し、たっぷり利用できたなら、それはきっとスマホ側にとっても幸せなことでしょう。

おわりに:スマホの行方は未知数

21世紀初頭を代表するデバイス・スマートフォンは、ここまで成り行きで進化をとげてきました。そう、その発展は成り行きであり、誰かが意志的に引っぱってきたというわけではなく、必然の産物でもないのです。

「スマートフォン」のはじまりは、Appleが「音楽プレーヤー」と「電話」をドッキングさせたことでした。もっとさかのぼれば、「電話」に「カメラ」が付属すること自体どうでしょう? あらためて考えれば、これらは決して必然の組み合わせではないですよね。過去のこういった不確定性は、この先でも同じです。スマホの行方は、誰にもわからない、未知の領域なのです。

今から10年後に本稿を読み返したら、私たちはどんな感想を抱くのでしょうか。その時、「スマホ」は存在しているのか。ポケベルのように「昔の機械」となって博物館入りしているのか。その時私たちは、一体どんな機械を使っているのか。今からとても楽しみです。

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