ファンタジースプリングスの入場方法とアトラクション―3ヶ月調べて行って分かったガイド＆ポイント

2024年6月、東京ディズニーシーに新エリア「ファンタジースプリングス」がオープンしました。

ファンタジースプリングスには4つのアトラクションと、ショップ、レストラン、ホテルがあるのですが、この新エリアは従来のパークとは違う特殊なエリアとなっています。入場者に人数制限をかけているのです。

私は9年ぶりにディズニーシーへ行くことになり、計画を立てるため、いまのディズニーのシステムや状況について3か月にわたって調べ続けました。

そうしてためこんだ知識はきっと他の人にも役立つと思うので、今回は、特にディズニーマニアではない平凡な入園者の目線でファンタジースプリングスへの入場方法や忘れてはならない重要なポイントをまとめることにしました。いまのディズニーは以前とは様相が大きく変わったのを感じましたが、私のような久しぶりの人でもこの1ページで全部を押さえられるように書いていくので、読者の参考になれば幸いです。

ファンタジースプリングスへの入場方法―必要なもの

ファンタジースプリングスへの入場方法は、全部で3通りあります。すなわち、

1. スタンバイパスを取る
2. ディズニー・プレミアアクセス（DPA）を取る
3. チケット「1デーパスポート：ファンタジースプリングス・マジック」で入園する

の3つです。

このうち、3つ目の「ファンタジースプリングス・マジック」はファンタジースプリングスホテルの宿泊者とバケーションパックでの宿泊者専用です。したがって、日帰りの人は1か2の方法で、宿泊を伴う旅行の人は加えて3も検討に入れる、ということになります。

「スタンバイパス」または「ディズニー・プレミアアクセス（DPA）」

まずは、通常チケットでの来園者が利用するスタンダードな方法2つを解説します。

ファンタジースプリングスへ入場するためには、エリア内のアトラクションの「スタンバイパス（無料）」または「ディズニー・プレミアアクセス（略してDPA、有料）」を取得することが必要です。

エリア内のアトラクションは

1. アナとエルサのフローズンジャーニー（『アナと雪の女王』より）
2. ラプンツェルのランタンフェスティバル（『塔の上のラプンツェル』より）
3. フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー（『ピーターパン』より）
4. ピーターパンのネバーランドアドベンチャー（『ピーターパン』より）

の4つで、パスを取るのはそのいずれでもOKです。

スタンバイパスというのは、要するに「整理券」のようなものです。公式スマホアプリから、時間枠を選んで取得します（やり方は後述します）。

一方のディズニー・プレミアアクセス（DPA）は、いわば「スタンバイパスの有料版」で、アトラクションで優先案内を受けられます。具体的には、無料のスタンバイパスを持っている人とはアトラクションで列が分かれていて、ほとんど並ばずに乗れるようになっているのです。ファンタジースプリングス内のアトラクションのプレミアアクセスは、いずれも2000円（税込み）です。

昔のディズニーランドでは、人気のアトラクションに「ファストパス」というのがありました。スタンバイパスとプレミアアクセスは、それがもとになった今版だと思えばいいでしょう。

スタンバイパスやプレミアアクセスを取得する方法

以上で、ファンタジースプリングスに入るにはエリア内のアトラクションの「整理券」2種類のどちらかをとればいい、ということまで分かりました。

では、そのスタンバイパスかプレミアアクセスはどうやって取得するのでしょうか？

準備：公式スマホアプリは事実上必須！

スタンバイパスやディズニー・プレミアアクセス（DPA）は、入園後に、公式スマホアプリ「Tokyo Disney Resort App」で取得できます。

取得には一応、アプリなしに行うアナログな方法も用意されています。受付場所のキャストに声をかけ、とってもらうという方法です。スタンバイパスの受付場所はファンタジースプリングス・エントリーウェイ。プレミアアクセスのほうは、ゲストリレーション（終日）、ヴァレンティーナズ・スウィート（開園～10:45）、ロストリバーアウトフィッター（終日）、ファンタジースプリングス内のパーク・インフォメーション（開園～9:30）となっています。

ですが、はっきり言って、スタンバイパスやプレミアアクセスをキャストにとってもらう方法は現実的とはいえません。なぜなら受付場所まで足で行かなければならないので大変な上、アプリの人々に後れをとってしまうからです。パーク内をせかせか歩いている間に希望の時間帯が埋まったり、その日のパスが全部はけたりしかねないのです。しかもその受付場所も、当日の運営状況によっては扱っていないこともある、と公式サイトに注が記されています。

このような状況から、東京ディズニーリゾート公式アプリは、ファンタジースプリングスへ入場したい人には事実上必須といえます。なので、アプリは計画段階でスマホにインストールし、My DisneyのIDをとって、あらかじめログインしておきましょう。

入園後：取得のやり方

入園ゲートを通ったら、アプリのトップ画面やパレード・ショーのリスト画面で、「スタンバイパス」または「ディズニー・プレミアアクセス」へ進みます。

次に、パスを取りたい人（事前の「グループ作成」が必要です。詳しくは後述します）とアトラクションを選びます。規約等への同意画面が出たら、そのつど同意をタップします。

最後に選ぶのが時間帯です。有料のディズニー・プレミアアクセスの場合は、この後にクレジットカードでの支払いがあります。

「次へ」から、画面の指示通りに進めば完了です。

なお、最初にアトラクションを選んで、そこからスタンバイパスかプレミアアクセスをタップしても同じ画面に出るのでOKです。

入場時間には1時間の幅がありますが、遅れたら無効になってしまうので、必ずファンタジースプリングスのゲートにたどり着ける、余裕のある時間帯を選びましょう。

初回の人に立ちはだかる「クレジットカード登録」の壁

ここまでの解説や下記の待ち時間に目を通して、読者の中には「有料のプレミアアクセスを取得したい」と思った人もいるでしょう。ただ、私のような久しぶりの入園者には支払いの段階で思わぬ壁があります。クレジットカードの登録です。

プレミアアクセスの支払い方法は、クレジットカードでの引き落としのみです。

ならばクレジットカードを登録しておこう……といきたいところですが、実は、その方法は存在しません（公式サイト「よくあるご質問 ID:25280」参照）。「今時なんで！？」とは思うのですが、「アカウント設定でクレジットカード情報を登録」といった機能が東京ディズニーリゾートアプリにはないのです（2024年9月現在）。

クレジットカード登録については公式サイトやガイドブックを読んでも分からない点があったので、私は東京ディズニーリゾートに問い合わせました。すると回答は、「ディズニー・プレミアアクセスを初めてご購入いただく際には、その場でクレジットカード情報のご入力が必要です。2回目以降の購入時には、初回に入力されたクレジットカード情報が残っていることがございます」ということでした。DPAを一度取得したことがある人なら、カードの有効期限が切れなければ登録されたままになっているようです。また、私はチケットをアプリからクレジットカードで購入すれば登録されるのではと思ったのですが、「チケット購入のサイトとは異なりますため、チケット購入時のクレジットカード情報はディズニー・プレミアアクセス購入画面には反映されておりません」ということでした。

ディズニーというブランドは、得意なことでは世界的に超一流ですが、苦手な分野は苦手なことで昔から知られてきました。この様子ではどうやら、21世紀の新分野、ITにも強くはないもよう。問い合わせた感触では、これまでの成り行きからサイトやシステムの運営主体に複雑な住み分けができてしまっており、園側も苦心しているのかなという印象でした。

クレジットカード登録をやってみた私からアドバイスできること

私は「ラプンツェルのランタンフェスティバル」のDPAを取ろうと意気込んでいたのですが、なにせディズニーシー9年ぶりの私は「初回」ゆえ、クレジット登録の壁に直面しました。

クレジットカード情報の入力で手間取っている間にその日の発行分はみるみるはけてゆき、カード登録が終わったころには都合のつく時間帯が全て発行終了。「初回」だった私はプレミアアクセスをあきらめ、かろうじて無料のスタンバイパスを取得したのでした。

そんな私から有料のDPAを取りたい読者へアドバイスできることがあるとしたら、前もってクレジットカード情報入力の早打ちを練習しておくといい、くらいでしょうか。

パスワード管理アプリからコピペしたら早いのでは、と私は考えたのですが、コピーしたテキストというのはうまく感知されないことがあり……

結局指で打ちました。とはいえ、ローマ字のカード名義はしっかり感知したので、たとえ部分的でもコピペを活用するのは良いアイディアだとは思います。

ディズニー・プレミアアクセスは、私が前回ディズニーシーに行った9年前にはまだなかったシステムです。東京ディズニーリゾート側にとっても日は浅いのです。サイトやアプリ自体がまだ十分整備されていないので、私が実際に行ってやってみたところでは、スタンバイパスやディズニー・プレミアアクセス（DPA）の取得はなかなか思い通りにはいかないものだと最初から想定しておいたほうがいいと思いました。

あるいは、ファンタジースプリングスでアトラクションに乗ってみたい人は、アプリやサイト、システムが十分整備されるのを待ってからにするのも一つの手かもしれません。

絶対忘れてはならないのが「グループ作成」

以上、スタンバイパスかプレミアアクセスの取得方法が分かれば完璧……と言いたいところですが、実は、もう一つ、絶対に忘れてはならない準備があります。「グループ作成」です。

東京ディズニーリゾート公式アプリでは、一緒に行くメンバーで「グループ」を作れるようになっています。グループ内ではチケット等の情報が共有され、例えば一人のメンバーが全員分のチケットを表示したりできるようになっています。

スタンバイパスとプレミアアクセスは、グループを作ってあれば人数分をまとめて取得できますが、グループがなければ自分の分しか取れません。つまり、この準備をしておかないと、一緒に行った人がファンタジースプリングスに入れないで待ちぼうけ……という事態になりかねないのです。そんな悲しいことにならないよう、チケットを買ったら、一緒に行く人全員でグループを作成しておきましょう。

グループ作成のやり方

では、その重要な「グループ」はどうやって作るのでしょうか？

パークチケットを購入したり、レストラン等を予約したりすると、アプリに「グループ作成」というボタンが表示されます。

「グループ作成」に進んだら、画面の一番下に出てくる「メンバーを招待」をタップします。

ここから、メールやショートメッセージ、LINE等、好きな方法で招待のリンクを送れるようになっています。

招待された側の人がリンクを開けばグループに参加できます。これで完了です。

宿泊者限定「ファンタジースプリングス・マジック」はどんな人向け？

ファンタジースプリングスへ入場する3つ目の方法、すなわち「1デーパスポート：ファンタジースプリングス・マジック」での入園については、要点は以下になります。

パークチケット「1デーパスポート：ファンタジースプリングス・マジック」は、新しくオープンしたファンタジースプリングスホテルの宿泊者か、ディズニー公式「バケーションパッケージ」の対象プランでの宿泊者しか購入できません。つまり、一般の来園者はそもそも買えないチケットなのです（ディズニー雑誌等で懸賞の賞品になっていることはあるのですが、日付が指定される上、当然当選しなければ手に入りません）。

したがって、上記のディズニー公式ホテル宿泊者に該当する人のみが、パークチケットを通常のチケットではなく「ファンタジースプリングス・マジック」にするかどうかを検討する、ということになります。

「ファンタジースプリングス・マジック」は値段は高めです。いまのディズニーのチケットは価格変動制で、通常の「1デーパスポート」は7,900円～10,900円（大人）ですが、「ファンタジースプリングス・マジック」は22,900円～25,900円（大人）となっています。

外部リンク：1デーパスポート：ファンタジースプリングス・マジック（公式HP)

メリットは3つ

「ファンタジースプリングス・マジック」のメリットは、第一に、エリアへの出入りがいつでも自由なことです。スタンバイパスやプレミアアクセスで入場した場合だと、時間帯が指定される上、ファンタジースプリングスを一度出てしまったら再入場はできません。

第二に、アトラクションには何度でも乗れます。プレミアアクセスは一度に1枚、スタンバイパスは一度に1枚しか保有することができません。システム上は1枚使えばまた取得できることになっているのですが、ファンタジースプリングスのアトラクションは人気なので、たいてい昼頃には全て発行終了となっています（詳しくは下記）。したがって、プレミアアクセスとスタンバイパスの両方を駆使したところで、乗れるのは事実上最大でも2回と考えたほうがいいでしょう。そんな貴重なアトラクションに何度でも自由に乗れるのは「ファンタジースプリングス・マジック」だけの特権です。

第三に、「ファンタジースプリングス・マジック」での入園者には、プレミアアクセスと同じ優先案内も適用されます。待ち時間がほとんどないので、この面でもいつでも好きなだけ乗れるといえます。

以上を考慮すれば、「1デーパスポート：ファンタジースプリングス・マジック」は、アトラクションに確実かつ何度も乗りたい熱心なディズニーファン向けと考えていいでしょう。他だと、大きな旅行計画を立てて来園する人ならば、一思いにこのチケットを買ってしまうことで、上記のスタンバイパスやプレミアアクセスの複雑なシステムや過酷な競争を全部スキップしてしまうのはいい手かもしれません。

スタンバイパス・プレミアアクセスは何時までなら取れるのか？

以上、ファンタジースプリングスに入る方法を3つとも解説しましたが、いかがだったでしょうか？　おそらく、多くの人はスタンバイパスかディズニー・プレミアアクセスを利用することになるでしょう。

その取得方法は上記の通りですが、では、実際問題として、スタンバイパスやプレミアアクセスは毎日何時までなら残りがあるのでしょうか？　それこそ知りたいところではないかと思います。

私は、自分がディズニーシーへ行く計画を立てるため、ファンタジースプリングスがオープンして以来約3か月にわたって東京ディズニーリゾートアプリを毎日チェックし、いつまでならスタンバイパスやプレミアアクセスがあるのかを調べ続けました。その結果を以下で発表するので、読者の参考になればと思います。

アナ雪のアトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」は開園と同時に即完売！

ファンタジースプリングス内で最も人気なのは、『アナと雪の女王』のアトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」となっているようです。毎日、開園直後の9:01には、ディズニー・プレミアアクセスは発行終了しています。無料のスタンバイパスもすでにない日が多いです。

ディズニー公式ホテルの宿泊者には、「ハッピーエントリー」といって一般の入園者より15分早く入園できる特典が付いています。なので、おそらくはそうした入園者で全ての発行枚数が埋まっているのではないかと思われます。

ただ、平日や天気の悪い日など、パークが比較的すくような日なら、9:15くらいまでスタンバイパスに残りがある時があります。なので、日を選んで開園直後に入園すれば、時間帯がどこでもよければスタンバイパスを取れるチャンスがないわけではなさそうです。

ただ、「アナとエルサのフローズンジャーニー」は待ち時間が比較的長いです。平日でもたびたび60分を超えており、繁忙期には120分前後になることがよくあります。私が見てきた中での最長は、7月7日日曜日の午後3時台にマークした200分。待ち時間を減らしたいという希望がある人はプレミアアクセスが欲しいところだと思います。

この調査結果からは、アナ雪のアトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」にどうしても乗りたい人は、公式ホテルでの宿泊が必要になってくると考えられます。

「ラプンツェルのランタンフェスティバル」

『塔の上のラプンツェル』のアトラクション「ラプンツェルのランタンフェスティバル」は、毎日午前9時台ならほぼ確実に両方があります。傾向として、いつも有料のプレミアアクセスのほうが先になくなります。

私が3か月見てきたところ、ファンタジースプリングスオープン直後の客足が落ち着いてからは、多くの日には午前11時前頃まで残りがありました。日によっては、午後2時くらいまで残っている時もありました。

ただし、三連休など、繁忙期には、午前10時を待たずに両方なくなる日もあります。

「ラプンツェルのランタンフェスティバル」には「アナとエルサのフローズンジャーニー」ほどの激しい競争はありませんが、希望の時間を取りたいなら開園後できるだけ早く入園したほうがいいでしょう。上記の通り私が9時台前半に入園ゲートを通ってDPA取得を試みたところでは、早い時間帯のほうからどんどん埋まっていきました。

「フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー」

『ピーターパン』のアトラクション「フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー」は、「ラプンツェルのランタンフェスティバル」の次か、相まっての頃に発行終了しています。つまり、毎日午前9時台ならほぼ確実で、午前11時頃までなら多くの日には取得できそうです。

注意点として、ファンタジースプリングス内の4つのアトラクションの中で、「フェアリー・ティンカーベルのビジーバギー」だけは有料のプレミアアクセスの販売がありません。無料のスタンバイパスのみとなっています。待ち時間は長いと60分前後になることがありますが、優先案内を得る方法はないので、一緒に行くメンバー等によっては考慮したほうがいいでしょう。

「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」

私が3か月間アプリで見てきて、パスが最も長く残っているのは「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」でした。このアトラクションは「アナとエルサのフローズンジャーニー」「ラプンツェルのランタンフェスティバル」と違って、無料のスタンバイパスが先になくなる傾向です。有料のプレミアアクセスは夕方まで残っている日もありました。

ただし、繁忙期には、正午を前にして両方なくなる日もありました。ファンタジースプリングス内のアトラクション4つの中では最も余裕があるとはいえ、遅くとも午前中には入園、取得をすませるのが確実といえるでしょう。

なお、「ピーターパンのネバーランドアドベンチャー」は、待ち時間が長くなる傾向があります。ボート1台に乗れる人数が少なめだからでしょうか？　午後には60分前後のことがそうめずらしくなく、時には120分待ちなどと表示されることもありました。いつもそうというわけではないのですが、立っているのがつらいなど待ち時間が気になる人は、安全策として有料のプレミアアクセスを検討したほうがいいかもしれません。

パークが混む意外な日

アトラクションへの待ち時間は、当然パークが混む日には長くなります。スタンバイパスやプレミアアクセスの競争も激化します。

では、その混む日とはどういう日なのかと言えば、週末、連休、お盆など旅行のハイシーズンがそのまま当てはまりますが……実は、ディズニーシーには、なかなか気づきにくい特有な「繁忙期」が他にもあります。新しいグッズの発売日です。

スマホアプリをベースとしたシステムが目新しいだけでなく、いまのディズニーシーはショップやグッズをめぐる状況も以前とは違います。世間ではどうということのない平日にファンタジースプリングスのアトラクションのスタンバイパス・プレミアアクセスのはけ具合や待ち時間を見て「今日なんでこんなに混んでるの！？」と驚いた時は、確かめてみれば、まず間違いなくパーク内限定グッズやシーズングッズの発売日でした。

新しいグッズとその発売日は、公式アプリ内のショッピングやディズニー雑誌で調べられます。パークが混まないと思って平日に行ったらとんでもない混雑だった……と後悔しないよう、平日ねらいの人は、その日が新グッズの発売日に当たっていないかチェックするのをおすすめします。

私のファンタジースプリングス探検記

さて、解説に走らせるペンはここで置いて、ここからは私の一日を綴っていくとしましょう。

私が入園ゲートを通ったのは9時20分ごろでした。スマホによるパス争奪戦を終えると、緊張の糸は切れ、私は休日のガス抜けモードに。午前中いっぱいはパーク内の波と音楽にゆられながら、パークと食事を満喫しました。見るものがたくさんある、ではなく「見るものの中にいる」のがディズニーのパークです。小洒落た店にふらりと立ち寄ったり、足を止めては素晴らしい造形にカメラを向けたり。

そしていざ、かろうじて取れたスタンバイパスの時間が近づくと、スチーマーラインに乗ってファンタジースプリングスへ向かいました。

ガイドブックの写真だけでは分からなかったこと

ガイドブックに3か月もかじりついていたので、入口のディズニーキャラをかたどった岩は散々見ていました。

ですが、写真だけで分からなかったのは「音」です。音楽はディズニーが最も得意とする分野の一つで、パーク内はどこに行っても音楽がすばらしい音響で流れています。ファンタジースプリングスに近づくと、そこでは絶えず小鳥のさえずりが聞こえていました。青い「冒険の海」とは隔たった、緑の「泉」に入っていくイメージのようでした。

ランタンフェスティバル目前で舵取り変更

上記のようないきさつで予定より遅い時間になってしまいましたが、私はまだ「ラプンツェルのランタンフェスティバル」には乗って帰ろうと希望を抱いていました。

ところが、その時の待ち時間はなんと85分。3か月以上アプリで見続けたところでは長くても30分前後の時が多かったのに、私が行った日に限ってめったにないレベルに達していたのです。これはツイてない……。その日はファンタジースプリングス内で何かアクシデント的なことがあったのではないかと思います。85分待つのは私には辛く、第一待ったとしたら都合がつかないので、残念ながらランタンフェスティバルへのボート乗船は断念することになりました。

とはいえ、せっかく足を踏み入れた新エリア。旅には突然の計画変更はあることです。私は舵をラプンツェルからアナ雪方向へ。ティータイムくらいの時間ならあったので、私は平凡なホットティーをモバイルオーダーし、アレンデール城に入ってみることにしたのでした。

アナ雪の城の中でほっと一息ティータイム

「アレンデール・ロイヤルバンケット」は、映画『アナと雪の女王』のハッピーエンドの後に女王エルサがアレンデール城を開放して人々を招いた、というコンセプトだそう。王座の間で食事ができるようになっています。

写真からは伝わらないと分かっているので記しておくと、レストラン内にはずっとアナ雪の音楽が流れています。少し控えめな照明にちょっとウキウキするようなアレンジが心地よく、ディズニーシーでの一日最後の休息にはほっとできるような空間でした。

「アレンデールロイヤルバンケット」は自分で席を取る方式のレストランなので、内部は自由に見学して回れます。私は他の部屋も訪ねてみました。

私が3か月読みふけったディズニー雑誌によれば、こうした絵画や小道具の一部は、映画『アナと雪の女王』の作中で実際に出てくるものだそうです。とすれば、このエリアのターゲット層は映画の中に入り込んだ気分に心をときめかせるアナ雪のコアなファンなのでしょう。ですが、特にそうではない私にも、よく作り込まれている物はそうだと伝わってきます。

「デザイン」はディズニーの得意中の得意分野。ただ食事を提供するだけなら無機質な白い建物でも武骨な鉄骨ビルでもかまわないはずですが、色と、形と、小物や模様をほどこせば、とたん魔法のようにストーリーが生まれてくる。デザインによって世界はこうもおもしろく、美しく、楽しくできるのだと、ウォルト・ディズニーのデザイナー魂が今日も端々まで根付いているの肌で感じました。

ディズニーの真骨頂

少し駆け足でホットティーを飲み干し、ファンタジースプリングスをくるっと一周散策すると、私はロストリバーデルタ発のトランジット・スチーマーラインに乗船して帰路へ着きました。

こうして、私の9年ぶりのディズニーシーは、計画とはだいぶ違った一日になりました。新エリア・ファンタジースプリングスへの入場は思うようにはいきませんでしたが、パークを歩いていて感じたのは、ディズニーのパークには他のどこにもない圧倒的なものがあるということでした。それは、ヘクタール規模の巨大なアート。人類の中にこんな造形物を作る集団がある、ということに圧倒されます。自然の景勝地や人気の観光地とはひと味違った意味で、人生の中で訪れたい場所に数えられます。

ディズニーでは断然シー派の私。いつかまたファンタジースプリングスへ行くことがあったら、その時にはディズニーの巨匠、アラン・メンケンの代表曲「輝く未来」を、ディズニーの真骨頂たる「デザイン」の中で聞いてみたい――ここはディズニーの世界、願いが叶いますように。

まとめ

以上、ファンタジースプリングスへの入場方法やポイントを平凡な入園者の目線でまとめ、私の体験を綴ってきましたがが、いかがだったでしょうか？　最後には、これから行く読者のために要点をもう一度おさらいしようと思います。

ファンタジースプリングスへ入場する方法は、

1. エリア内のアトラクションいずれかのスタンバイパスを取る（無料）
2. 同じくディズニー・プレミアアクセス（DPA）を取る（有料）
3. チケット「1デーパスポート：ファンタジースプリングス・マジック」で入園する（ファンタジースプリングスホテル宿泊者・バケーションパッケージ対象プランでの宿泊者限定）

の3通り。

入園前の準備で忘れてはならないポイントは

1. 公式スマホアプリ「Tokyo Disney Resort App」をインストールする
2. 公式アプリにMy Disney IDでログインしておく
3. 一緒に行く人全員で「グループ」を作成しておく

です。

私が調べていて感じたのは、いまのディズニーはもう「普通の遊園地」ではないんだなということでした。

それもご時世。アイドル、アニメ、引退する電車や動物園のパンダ等々、インターネットという新しいインフラを背景にファンが過熱して部外者には想像できないような世界を形成する波はディズニーにも打ち寄せているようです。ネットの情報によれば、最も熱心なファンは公式ホテルをとってあるのにそこでは寝ず、徹夜で入園待ちの列に並ぶのだとか。

また、今年には、ネットオークションでの転売を目的としたダッフィーグッズの買い占めがテレビのニュースでも取り上げられました。どう見たって奇異な光景。ショッピングのシステムは私が調べていた3か月間にもころころ変わり、園側が対応に苦慮している様子がうかがえました。

ファンタジースプリングスの入場者を限るシステムもまた、混雑を避けてのびのび楽しみたいという熱心なファンの声がもとになったという話があります。由来をたどれば、この新エリアは、以前駐車場だった土地を潰してアトラクションとホテルにしたもの。東京ディズニーシーのファンタジースプリングスは、自動車からインターネットへ、バブルのカルチャーから”推し活”カルチャーへ、時代の移り変わりを象徴しているかのようです。

そんな日本の”いま”を反映したシステムに平凡な来園者の私は最初ついていけず、計画中は公式サイトやガイドブック、雑誌にかじりつく日々が続きました。それで分かったことが、私だけではなく、他の誰かの役に立ったらいいなと思っています。

それではよい旅を。Bon voyage!

関連記事・リンク

著者・日夏梢プロフィール｜｜X（旧Twitter）｜Mastodon｜YouTube｜OFUSE

JR切符を安く買う方法～購入方法や払い戻しまで

一眼レフカメラの初心者におすすめな買い方＆スマホにはない魅力

『推し、燃ゆ』（あらすじ・ネタバレ有）から学ぶ”推し活”を有害にしないポイント4選