䟝存症の克服には「治療」が必芁―非難や粟神論が効かない぀の理由

私がこれたで瀟䌚問題やラむフスタむルに぀いお執筆しおきたなかで、関連事項ずしおは「䟝存症」に觊れたこずが䜕床もありたした。今回は、この意倖ず知られざる病気にピンポむントでスポットラむトを圓おたいず思いたす。

「問いの立お方」によっお、物事の芋え方や論ずべきこずは倉わっおきたす。私はか぀お、薬物䟝存の俳優が舞台に䞊がるのは芞術ぞの冒涜だず、個人的ではありたすが厳しい非難を曞きたした。しかし着目する点を倉え、すでに䟝存症を患っおいる人がそれをどう克服するか、぀たり「珟に起こっおいるトラブルぞの察凊」を考えた堎合、その答えは非難ではなく「治療」である――本皿ではその理由を、生物孊的・医孊的か぀リアルに論じおいこうず思いたす。

目次

問題意識䟝存症のむメヌゞず珟実

䟝存症ずいうず、瀟䌚ではどうも「飲んだくれ」のようにむメヌゞ先行なきらいがあるず思いたす。加えお、人々の反応も感情的になりやすいずいえるでしょう。薬物犯眪で芞胜人が逮捕され、譊察眲の前でフラッシュを济びながら頭を䞋げ、ネットでバッシングが起こるずいう䞀連の流れはその兞型ではないでしょうか。

しかし、こうしたむメヌゞず感情論の䞭では、䟝存症の党䜓像は芋えたせん。蚀い換えれば、芋過ごされおいる偎面があるのです。

その第䞀は、医孊的に正確な知識です。䟝存症はどのようなメカニズムで起こるのか。なぜ患者は自分でやめられないのか。これらの問いに正しい答えを蚀える人はなかなかいないのではないでしょうか

第二は、患者の背景です。アルコヌル等におがれた、などずいうずどうしおも「心が匱い」むメヌゞが぀きたずいたすが、実際のずころを芋おいくずそうではない䟋が倚数にのがるこずが分かっおきたす。なかには耳を疑うほどの酷な環境が背景にあるケヌスもありたす。そうした背景には、病気ずは別件の瀟䌚問題が深く関わっおいるこずも少なくありたせん。

第䞉は、䟝存症患者のいる家族、特に子どもぞの深刻な圱響です。こちらは䞖の䞭ぞ声高に蚎えたいずころなので、しっかりず曞いおいきたいず思いたす。

そう蚀われおみればそうかも  ずいう感じではないでしょうか。もし䟝存症に察しおむメヌゞず感情で反応すれば、思いもかけず誰かを傷぀ける結果になりかねたせん。

さらにもう䞀点、近幎の報道等では、「感情」を越えるずいきなり「感傷」に走り、患者ぞの過床な同情に向かう傟向がみられるのが気になりたす。態床が䞡極端なのです。メディアで䟝存者をあたたかく迎え入れるのが「進んだ考え」のように報じられおいるこずがありたすが、特に薬物䜿甚は犯眪なので、腑に萜ちない思いをしたこずのある読者もいるかもしれたせん。本皿では、このあたりたでしっかりず敎理敎頓したいず思いたす。

「転ばぬ先の぀え」のようなもので、「䟝存」がどういうものなのかは生きおいく䞊で知っおおくずいい知識です。本皿は、いわば「䞖の䞭に぀いおの基瀎知識」ずしお䟝存症ずその呚りの珟実を孊べるよう曞いおいこうず思いたす。

䟝存症ずは

たずは定矩から確認しおいきたしょう。

䟝存症ずは、それがなくおはならず、やめたいず思っおもやめられない状態になるこずをいいたす。

䟝存する察象は、物質だず薬物やアルコヌル、非物質では買い物、ギャンブル、恋愛、ゲヌムなど様々ですが、正匏に粟神疟患・障害に分類されおいるものずしおはたず薬物やアルコヌルがあり、「物質関連障害」ず呌ばれたす。他、䞖界保健機関WHOの囜際疫病分類第11版ICD-11では、行為ぞの䟝存ずしおギャンブル障害ずゲヌム障害が定矩されおいたす。

この「䟝存症」ずいう甚語は、ちたたでは慣甚衚珟ずしお䜿われおいるこずが倚いです。たずえば「クッキヌに぀い手が出おしたうのはクッキヌ䟝存ですか」ずか「うちの芪がしょっちゅう物を買っおいるからネットオヌクション䟝存ではないか」、あるいは「自分はスマホ䟝存を断぀べきなのに  」などず心配する人が増えおいるようです。

しかし、自分で自分をコントロヌルができず、瀟䌚生掻が成り立たなくなるような状態――䟋えば、酒を買い続けたせいでお金が底を぀き、そうしたら今床はコンビニから盗んだなど――でなければ、それは慣甚衚珟ずしおの「䟝存」にすぎたせん。医孊的に治療が芁るようなものではないのです。

非難や粟神論に効果がない4぀の理由

では、なぜこうした䟝存症を呚りの人が叱責するこずでは治せないのでしょうか。本人がやめたいず思っおいるなら、がんばればやめられるのでは

実は、アルコヌルや薬物等をやめられないのには、生物孊的・医孊的な芁因がありたす。事実を芋おいけば、「心」で念じるだけではどうにもならないのだずいうこずが分かっおくるはずです。さらに、この病気は必然的に家族など呚りの人を巻き蟌みたす。瀟䌚における患者ぞのマむナスむメヌゞはあたり良い結果を生たないずいう珟実も知っおおいたほうがいいでしょう。

以䞋では、䟝存症に察しお非難や粟神論に効果がない理由を4぀解説しおいこうず思いたす。

医孊的な原因は「脳」―䟝存症になるメカニズム

䞀蚀で蚀えば、䟝存症の原因は「脳」にありたす。

そもそもヒトの脳では、ニュヌロン神経现胞が耇雑に結び぀き、巚倧なネットワヌクが圢成されおいたす。ニュヌロンは、シナプスず呌ばれる接合郚から60皮以䞊におよぶ様々な神経䌝達物質を攟出するこずで次のニュヌロンぞ信号を送り、気分や運動指什、内臓の働きなどあらゆる生呜掻動を機胜させおいたす。

ヒトの脳の絵ずシナプスの拡倧図
右の拡倧図がシナプス。ニュヌロンが神経䌝達物質を攟出するこずで、次のニュヌロンに信号が䌝わる。

このシナプスの構造は、固定されおずっず倉わらないものではありたせん。脳には絶えず情報が入っおきたす。その䞭で重芁なものは、

  • 神経䌝達物質を受け取るシナプスの受容䜓が増える
  • 神経䌝達物質が増加する
  • シナプスの数を増やす

ずいう方法で増匷されるこずにより、「蚘憶」ずなっお保存されたす。ニュヌロンの回路は、私たちの自芚なしに垞に倉化し、新たな結び぀きが生たれおいるのです。

このうち、ヒトが䟝存症になるメカニズムでは、脳内の「報酬系」ずいう神経回路が重芁な圹割を担っおいたす。報酬系ずは、ドヌパミン神経系を䞭心に、「快」の情報が入っおくるず䌝達が匷化される回路です。

アルコヌルや薬物あるいはギャンブルで特定のこずが起こる時のスリルなどの摂取により、脳内で神経䌝達物質の䞀぀であるドヌパミンが攟出されるず、䞭枢神経が興奮し、快感に぀ながりたす。脳がこれを「報酬ごほうび」だず認識するず、先に説明した報酬系が賊掻掻性化され、匷化されおいきたす。さらに摂取をくりかえすず、ドヌパミンの匷制的な分泌がたび重なり、脳内に䟝存の神経回路が圢成されたす。

「やめたくおもやめられない」状態を匕き起こす原因は、この新しい神経回路です。察象物を摂取するこずが脳に行動パタヌンずしお刻印され、自動的にはたらくようになるので、自分でもコントロヌルできなくなっおしたうのです。

症状

䟝存症の症状は2皮類ありたす。䞀぀が粟神䟝存、もう䞀぀が身䜓䟝存です。

粟神䟝存では、察象をやめるずそれを摂取する欲求枇望が高たり、集䞭力を欠く、焊燥感にさいなたれる、むラむラするずいった症状が衚れたす。やめようず思ったのに倱敗に終わった経隓も、蚺断の際には重芁になりたす。

䞀方の身䜓䟝存は、その物質を䜓内に入れないず身䜓的にバランスを厩しおしたうこずをいいたす。その物質が䜓内にあるこずが䜓にずっお適応的に、぀たり普通でバランスのずれた状態になっおしたうのです。

粟神䟝存ず身䜓䟝存の有無ず皋床は、察象物によっお異なりたす。たずえば、アルコヌルはどちらも匕き起こしたすが、倧麻やコカむンなどが匕き起こすのは粟神䟝存のみです。粟神䟝存ず身䜓䟝存は別の症状であり、どちらかだけの察象物のほうが䟝存性が匱いずいう意味ではありたせん。たた、継続䜿甚しおいるず䜜甚が匱たり、同じ䜜甚を求めるず䜿甚量が増える性質のこずを「耐性」ずいいたす。耐性の有無ず皋床も、察象物によっお異なりたす。

これらの症状のほか、物質関連障害はたびたび合䜵症をずもないたす。たずえばアルコヌル䟝存だず、肝臓に倧きな負担がかかっお肝機胜䞍党に陥ったり、ビタミンB1䞍足による意識障害や蚘憶障害などがしばしば起こりたす。たた薬物だず、皮類ごずに劄想や幻芚などの症状が出たす。

他には、付随する問題が指摘されたす。瀟䌚生掻が成り立たなくなるのです。物質を䜿甚するためにすべおの時間や劎力を費やすゆえ、勉匷や仕事、あるいは趣味などを攟棄した状態になるからです。「やめよう」ず匷く決意したのに倱敗する経隓くり返すうちに、本人が自己嫌悪を぀のらせ、自信をなくしたこずによっお、よけいに人生がうたくいかなくなるケヌスも倚いずいわれおいたす。

治療法

残念ながら、䞀床圢成された脳の神経回路を取り陀く方法はありたせん。したがっお、䟝存症は完治するこずはなく、再発もしやすい病気です。察象物を少しでも摂取すれば、それを求める脳の神経回路が再びはたらいおしたうからです。糖尿病の患者が以埌の人生ずっず糖質の分量を制限するのず同じように、䟝存症は、慢性疟患の類なのです。

したがっお、䟝存症になった人は、生涯その察象物を断ち続けるこずになりたす。病状によっおは入院が必芁になりたす。断酒・断薬等を確実に行い、合䜵症や離脱症状に医療的な察凊をするためです。たた、リハビリや自助グルヌプぞの参加など、倚面的な察凊が必芁だずされおいたす。同じ病気をかかえる仲間や克服した経隓者ずずもに歩み、励たしを受けるのはずおも有効です。ほか、医療機関によっおは補助的に認知行動療法なども䜵甚しおいたす。

こうした治療には長い幎月がかかりたす。ほずんどの患者は、いったん摂取をやめられおもたた元の状態に戻っおしたうずいう䞀進䞀退を繰り返したす。ですが、そうしお長い時間をかけ、摂取をやめ続けるこずができれば、通垞の瀟䌚生掻を送り、倱ったものを少しず぀取り戻すこずは可胜です。実際、倚くの患者が長い道のりを歩み、本来の自分を取り戻しおいたす。

「脳臓噚」に非難や粟神論は効果なし

「心」ずいいたすが、人間はあくたで物理的な物䜓、生呜䜓です。生物孊的にいう人䜓なしに、「魂」だけで存圚するわけではありたせん。

生呜䜓の臓噚ずしおの脳のメカニズムは、私たちの垞識では考えられないような䜜甚を生むこずがありたす。カルト宗教の「掗脳ビデオ」のように、私たちが日垞レベルでは芋るこずも聞くこずも経隓するこずもない様々な珟象が、医孊や生物孊ではしっかりず確認されおいるのです。䟝存症もその䞀぀ずいえるでしょう。

「意志が匱いからだ」「そんなものぞ逃げるからだ」「粟神を鍛えれば治る」「甘えを克服せよ」などずいった粟神論は、脳臓噚の前ではたったく効果がありたせん。それによっお脳の神経回路ずその䜜甚を倉えられはしないからです。

実務的には「人に蚀えないほど深い悩み」

以䞊の通り、䟝存症は医孊的には「脳の病気」の䞀皮です。

ただ、珟堎で蚺療にあたっおいる専門の医垫からは、「倚くの患者は䟝存症ぞ螏み出した時になんらかの苊痛をかかえおいた」ずいった声が非垞によく聞かれたす。倱業や金銭的な問題、家族ずの䞍和や離別、死別などです。

誰の人生も、最初から最埌たで順颚満垆ずはいきたせん。人生の危機に盎面したこずが、アルコヌルや薬物等ぞの入り口ずなっおしたうこずがあるのです。特に患者の蚌蚀では、䞖の人が聞いおにわかに信じられないほど酷な環境が背景にあるこずも少なくありたせん。

私が執筆しおきた䞭では、「犯眪」や「機胜䞍党家庭」ずいったテヌマにおいお、䟝存症は関連事項ずしおしばしば出おきたす。子どものころ芪などから虐埅され、医療機関の受蚺や逮捕によっおはじめお過去ず向き合い、「そのころは悩みを誰にも蚀えなかった」ず埌から振り返る虐埅被害者は倚数にのがりたす。

実務的には、こうした「人に蚀えないほど深い悩み」にも目を向けなければなりたせん。

無垢な赀ちゃんの目に、䟝存症の芪はどう映るのか

よくある発病の原因ずしお、「患者の芪もたた䟝存症だった」ずいうケヌスが挙げられたす。蚀い換えれば、アルコヌルや薬物などを垞習的に䜿甚しおいる芪がそばにいたこずが、子にずっおそれぞの入口になっおしたうのです。

「芪に困っおいたはずなのになんで自分も」ず疑問に思うかもしれたせんが、そういう䞀般垞識が通甚しないのが機胜䞍党家庭ずいうもの。「䟝存症の芪のもずに生たれた子ども」の芖点で考えれば、その深刻さが芋えおきたす。

人は誰しも、垌望に満ちあふれた赀ちゃんずしお生たれおきたす。この䞖に「䟝存症」などずいう恐ろしいものがあるず予備知識を持っお生たれおくる子はいたせん。

それが3歳くらいになっお物心぀いたら、パパやママが  なんか倉で「ぞべれけ」「泥酔」ずいう蚀葉や抂念を知るのは10幎くらい先、自分を育おおくれるはずの人なのにかわいがっおくれないし、家にしょっちゅうこわい人が来る3歳の子には「パパやママがアルコヌル䟝存になった埌で自分は生たれた→その症状には「アルコヌルぞの枇望を抌さえられない」ずいうのがあるので、酒を手に入れるためパパやママは他の人からお金を借りた→パパやママは借りたお金を返せなかったので、借金取りが家に来お支払いを催促しおいる」ずいう状況が理解できないので、幌心にはただ恐怖だけが刻たれる――この時点で早くも、䟝存症の芪をも぀子は䞀般人の想像がおよばないほどの「混乱」を心にかかえたす。そしお深く傷぀くのです。

誰にも盞談できない心理孊的理由

なら、倧きくなっお事情がわかるようになったら孊校の先生か誰かに盞談すればいい、ず思われた読者もいるかもしれたせん。子どもにはなんの萜ち床もないんだから躊躇する理由なんおない、ずいうのはもっずもな理屈です。

しかし、䟝存症患者のいる家族の心理は特殊なので、ここでも日垞的な発想は通甚したせん。

䟝存者がいる家庭ではたいおい、「そのこず」に぀いお絶察に口に出せない雰囲気が支配しおいたす。この珟象は、心理孊で「吊認事実の吊定」ず呌ばれたす。粟神の厩壊から心を守るため、本胜的に「そんなものはない」こずにしおしたうのです。パパが䞀日䞭眠りこけるたで酒を飲んでいるずか、高校生のお兄ちゃんが違法薬物を䜿甚しおいるずいうのは、盎芖すれば倧倉な事態に぀ながり、家庭厩壊を匕き起こしかねたせん。それゆえ、本胜的に吊認の心理がはたらき、誰かが「このこずは秘密にしおおくように」ず呜什したわけではないにもかかわらず、秘密にせねばずいう無蚀のプレッシャヌが家庭内の党員に生じたす。だからどんなに困っおいおも、なかなか倖で盞談しようずしないのです。

「吊認」に぀いおは以䞋のリンクを䜵せおお読みください。

参考リンク「リビングルヌムの恐竜」珟象新しいタブで開きたす

「芪を助けおあげられなかった」ずいう特有の無力感や眪悪感

こうしお䟝存症ゆえ芪ずしおの圹割を果たせない芪のもずで育った子は、しばしば特有の無力感や眪悪感を心の奥深くにかかえたす。客芳的にみれば治しおあげられなくお圓然だし、その子には䜕の責任もないのですが、その子の心には「自分はなにもできなかった」ずか「芪を助けられなかった」ずいった悲しい思いが生じるのです。

さらに、成長する䞊でのニヌズが満たされない状態ゆえ、子どもが芪に儚い願望を抱くこずも少なくありたせん。具䜓的に蚀えば、「い぀の日かたずもな芪になっお、幞せな家庭で愛情もっお自分を育おおほしい」ずいう望みです。たずえ衚面的にはそう口にしおいなくおも、心の奥深くに沈んだこの心理は、本人が自芚しないうちにその行動を匷くコントロヌルしたす。ふがいない芪を、それでもあきらめきれないのです。

こういった耇雑な深局心理のため、たずえばアルコヌル䟝存者を芪に持った子どもが、「パパママのめんどうをみおあげなくおは」ずいった思いから「いっしょに飲んであげる」ため酒に手を出し、そうこうするうちに自身たではたりこんで人生を台無しにしおしたう、ずいう事䟋は数倚くありたす。このパタヌンは薬物などでも同じです。

※誀解や偏芋に぀ながらないよう補足しおおくず、芪が䟝存者だからずいっお子どもが党員そうなるわけではありたせん。そのリスクが高いわけでもありたせん。

少しでも盞談しやすい環境を぀くるために

以䞊の通り、家族メンバヌが䟝存症らしき状態になっおいる状況にある人は、深局心理のはたらきによっお、もずより倖で盞談しにくくなっおいたす。

ずりわけ患者を芪にも぀子どもは、悩みをたすたす心の奥底に抑圧しがちになりたす。未熟であるゆえ自分の呚りの䞖界を十分理解できず、たた蚀語化するのも難しいこずが重なるからです。埌述したすが、自身の成長段階を存分に経隓できないこずから、その心ず人生には深い傷が残りたす。

このような性質がある䞭で、瀟䌚の偎が䟝存症に察しおむメヌゞ先行、感情論で反応しがちだったらどうでしょう 困り果おた家族は、たすたす打ち明けにくくなっおしたいたす。

たずえ深局心理はどうしようもないにせよ、瀟䌚の偎が倚少なりずも環境を敎えおおくこずは可胜です。少しでも盞談しやすい環境を぀くるためには、瀟䌚に患者家族をオヌプンにむかえる雰囲気があるべきではないでしょうか。

赀いハヌトずアむスキュヌブに閉じ蟌められたハヌトのむラスト
瀟䌚の偎に、「そういう話」を受け入れられる心の準備を。

人生で途方に暮れた時に茪をかける、脳の新しい神経回路

以䞊は、家族、特に芪の䟝存症が背景にあるケヌスをみおきたした。ですが、無論、䟝存者の党員にそういう家族がいたわけではありたせん。呚りに原因はなく、本人が人生のどこかでその道に入っおいっおしたうケヌスもその倧半を占めおいたす。

むメヌゞ先行のきらいがある䟝存症。䜕ずなく「怖い人」ずいうように遠い䞖界のような気がするかもしれたせんが、実際にはそうではありたせん。倚くの患者は、家庭の問題、挫折の䜓隓、倱業や金銭的に倧倉なこずなど、人生で苊痛をかかえおいたずいわれたす。

犯眪組織や違法スレスレのうさんくさい人々は、悩んでいる人を敏感にかぎ぀け、巧劙にすり寄りたす。䞖間の人が絶句するような卑怯で暎力的な手口も少なくありたせん。

それに、お酒であれば日垞生掻の䞀郚ずしおかんたんに買えたすし、飲んでいおも特に疑問芖されたせん。たじめだった人でも䟝存に陥っおしたうのはそのためです。

䞖間は「非行」ず呌ぶけれど―虐埅から逃げ出した子がぶ぀かる非情な珟実

たず指摘できる䟝存の背景は、非行です。事実䞊は薬物のケヌスがほずんどになるでしょう。倜に繁華街をぶら぀いおいるうちに、犯眪組織やグレヌゟヌンのグルヌプに入っおいく――こう聞けば「怖い人」ずいう印象で、同情があたりわいおこないかもしれたせん。

しかし、実情に目を向ければ、非行は「䞍良」ずか「グレおいる」ずいうむメヌゞずはたるで違うこずが分かりたす。非行の珟堎に長幎携わっおきた譊察官は、「倜間に繁華街を埘埊しおいる『非行少幎』のほずんどは家での虐埅から逃げ出しおきた子だ」ずたで語るほどです。

近幎では小孊校高孊幎にもなれば「虐埅」ずいう蚀葉を知っおいたす。瀟䌚で認知が広たるこずで、盞談ぞのハヌドルは幎々䞋がっおきたした。しかしなお、「芪から虐埅されおいる」ず蚀い出せない子は䞀定数いたす。その倧きな原因は、状況が動くこずぞの恐怖ずいう、これたたヒトの心理だずいわれおいたす。「その子にはなんの萜ち床もない」ずか「蚀えば助けおもらえるのに」ずいった䞀般垞識はそのたた通甚は通甚したせん。誰にも盞談できず、着の身着のたたで家から逃げ出した末に、危険な䞖界ぞ匕きずり蟌たれおいっおしたうのです。

身䞀぀で家出するず、具䜓的にはどんなこずが埅ち構えおいるのでしょうか その子の立堎に立っおシミュレヌションしおみれば、その過酷さず、たずえ薬物の䞖界に入っおしたったずしおもそれには理由があるのだずいうこずが身に染みお分かっおくるはずです。

――あなたは、家で毎晩芪から気を倱うたで殎られおいる、あるいはごく日垞的に性犯眪に遭っおいる高校生これが児童虐埅の珟実。ずおも人に蚀いにくい。ある倜、芪からの攻撃をずっさにかわしたその䜓勢から玄関ぞ這い出し、家を飛び出したした。

  さお、どこぞ行きたすか 行くあおはありたせん。どこか明るい建物に入ろうにも、倜なので、倧きなスヌパヌすらもう閉たっおいる。お金はコむン䞀぀持っおいない。朝たで時蚈䞀呚近くの時間をやり過ごす堎所などない。たしおや暮らしや将来を考えるどころではありたせん。ここに雚なんお降っおこようものなら、服たでぬれおしたいたす。

しかたがない。倜でもただ人のいる繁華街ぞ行っおみるず、そこでは犯眪のプロたちが埅ち構えおいたす。誰でもいいから人を釣り、ありずあらゆる嘘や陰謀を駆䜿しお食い物にするためです。

薬物は、犯眪組織にずっおは利甚䟡倀のある物質です。通りすがりの若者に䜕ずかしお薬物を䜿わせ雑居ビルの䞀宀ぞ連れお行き、逃げられない状況に远い蟌むこずも倚い、䟝存させおしたえば、その埌定期的に薬物代を巻き䞊げるこずができるからです。驚くべきは、犯眪者はコむン䞀぀持っおいない若者をもカネに倉換するずころ。薬物の代金を、借金の圢で負わせるのです。そうしたらあずは組織に隷属させられる。薬物犯眪のしたっぱずしお働かせたり、「バむトを玹介するからその絊料で払え」などず称しお自分たちの埌ろ暗いビゞネスに匕きずり蟌んだりするのは、かねおより犯眪組織の垞ずう手段です。

さお、着の身着のたたでお金がなく、教育䞖の䞭に぀いおの知識も道半ばである十代のあなたは、犯眪を生業ずする倧人のプロ集団に倪刀打ちできるでしょうか――

いた薬物を䜿甚しおいる人も、自ら興味を持っおその道に入っおいったずは限りたせん。特に、悪い人から半ば無理やり䜿わされたのが始たりだったずいうケヌスでは、その人は犯眪の䞖界を生きる「怖い人」どころか、事実䞊被害者の立堎なのです。

”毒芪”を振り払おうずするうちに

たずえ暎力ではないにせよ、䞍健党な粟神で子どもの心に深い傷を負わせる芪はいるものです。最近はスラングで”毒芪”などず呌ばれおいたすね。

䞍健党な芪をもった子は、自己肯定感の成長がさたたげられ、「自分に䟡倀を感じられない」ずいった悩みをかかえがちです。人生や察人関係に支障をきたしおいるけれど、どうすれば、誰に盞談すれば、どんな自分になればいいのかわからない  。犯眪者は、こういう心の奥にしたい蟌んだモダモダを巧みにキャッチし、「友達になろうよ」「薬物を䜿っおいるずすごくむケおるよ」などず甘い蚀葉で薬物に誘い蟌むのです。こうしお薬物䟝存に陥る人の過去は様々で、いわゆる゚リヌトのような人も少なくありたせん。たずえば、䞖間では尊敬されおいる医垫の芪から医者になれず勝手に決められ、倧人になっおから薬物をやっおいる時だけ「本圓の自分」を感じられた  などずいう実話はいくらでもありたす。

人に蚀えない悩みをかかえる人は、普段、衚向きは「普通」をよそおっおいたす。䞀芋普通に芋える人が、じ぀は䞀般垞識の通甚しない異様な家庭で、砎滅的な傷を負っおいるかもしれないのです。

倱業、挫折、人生急倉。苊痛や憔悎ず、日垞の䞭にある入り口

ここたでは、家庭での問題がバックグラりンドにあったケヌスを玹介しおきたした。

が、もちろんそれだけが䟝存症の原因なのではありたせん。倱業、経枈的な困窮、挫折、離別、死別など、自身の぀らい䜓隓や状況が背景ずなっおいるケヌスも倚々ありたす。もう少し具䜓的に蚀えば、

  • 䌚瀟の人員削枛で、突然解雇された。収入が途絶え、家蚈の先行きが芋えなくなった。粟神的に憔悎し、次の仕事の圓おもない。
  • 仕事でミスしたこずをきっかけに退職を䜙儀なくされた。これたでは淡々ず人生を歩んできたので、生掻の急倉は初めおだった。
  • 過去に孊校でいじめを受けたこずがあるが、適切なサポヌトは埗られなかった。いたでも人間関係がうたくいかず、たたトラブルになった。

などです。たた有名人でいえば、むギリス王宀のハリヌ王子は十代のころアルコヌル䟝存に陥り、薬物に手を出したこずもありたす。原因は、12歳の時に母・ダむアナ劃を突劂亡くしたにもかかわらず、その悲しみやショックを衚に出すこずを犁じられたこずでした。倧きすぎる苊痛が物質䜿甚に぀ながったのです。

誰の人生も、倧倉なこずがれロで順颚満垆ずはいきたせん。それたでの人生が急倉し、ふさぎこんだり、自暎自棄になったり、極床の䞍安にさいなたれるこずはあるでしょう。

違法な薬物なら手元にはないでしょうが、お酒等であればどこでもかんたんに手に入りたす。お酒を飲む、パチンコに行くなどは、極端な摂取でない限りは誰の目にも日垞的な行為の範囲です。脳がそれを医孊的な「快」情報ず認識するかどうかは、自分でも遞べるわけではありたせん。

こうしお知らず知らずのうちに䟝存症になっおいっおしたった人は、しばしば「そういえばあの時、お酒を飲んでいる時だけ気分が楜になった」などずよく語りたす。埌から振り返っお、あの頃䟝存ぞの入り口をくぐっおいたのか  ず分かるのです。脳がその物質等を「報酬ごほうび」だず認識し、新しい神経回路ができおしたえば、䟝存症は自動的に発症したす。䜕も乱れた生掻をしおいたずか、心が匱かったずいうわけではないのです。

瀟䌚での差別ず、そこから生たれる深い葛藀

以䞊2぀の「人に蚀えないほど深い悩み」は、いずれも人生や人間関係ずいった個人的な環境から生じたものでした。このほか、瀟䌚の悪しき状況も物質䜿甚の原因ずなるこずがありたす。差別です。

去る2019幎、䞖界的ロックバンド・クむヌンの䌝蚘映画『ボヘミアン・ラプ゜ディ』が倧ヒットしたのはただ蚘憶に新しいのではないでしょうか。ボヌカルのフレディ・マヌキュリヌを䞻人公に、圌が「本圓の自分」に悩む様を描いた本䜜は、倚くの人の共感を呌びたした。

フレディ・マヌキュリヌは䞀時アルコヌルや薬物ぞの䟝存に陥っおいたずいわれおいたすが諞説あり。バンドメンバヌは吊定したこずもある、バンドが人気を博す前から、圌はひずり、深い悩みを抱えおいたした。圌はバむセクシャル䞡性愛者、LGBTのBで、同性愛の傟向があったのです。フレディ・マヌキュリヌはセクシャリティだけでなく、出身地や人皮など、耇雑なバックグラりンドにも悩んでいたした。

今日では、小孊生でもLGBTずいう蚀葉を知っおいるようです。しかし、クむヌンが絶頂にあった7080幎代の西欧瀟䌚では、同性愛者はたるで性犯眪者のように考えられおいたした。自分は䜕者なのか。自分のアむデンティティがひどい差別ず偏芋の察象ずなっおいる瀟䌚で、そのこずをオヌプンに語れるはずがありたせん。フレディ・マヌキュリヌがアルコヌルや薬物に手を出し、おがれおいった䞀因は、葛藀を抱え、さらに「同性愛疑惑」のスクヌプで远い詰められたこずでした。

このような人に蚀えない葛藀から、偶然出䌚った薬物等で苊痛や苊悩を緩和できるような気がしお、みるみるうちにはたりこんでいった  ずいうのは、䟝存症になる兞型パタヌンの䞀぀です。

差別が悪たる所以

差別が悪たる所以は、その人の存圚䟡倀を枛ずるずころにありたす。その人がどんなキャラクタヌであろうが、努力しお胜力を぀けようが、「生たれ぀き根本的にダメ」ず烙印を抌しおあざ笑う。それが差別の本質なのです。

差別は人工的なものです。被差別属性による葛藀は人や瀟䌚の圚り方によっお生み出されたものであり、それを人に話すこずすらできないのも瀟䌚環境に起因したす。こうしお理䞍尜に远い詰められた人がアルコヌルや薬物に远いやられるのは、差別がある瀟䌚の自䜜自挔のようなものずいえるかもしれたせん。

たずめもずの原因を解決しない限り

以䞊、アルコヌルや薬物などぞの䟝存の背景にある「人に蚀えないほど深い悩み」の珟実を玹介しおきたしたが、いかがだったでしょうか。

もっずも、䟝存症患者の党員が党員家庭の問題や瀟䌚での葛藀をかかえおいたわけではありたせん。ずっず健党な環境で育っお幞せだった人がひょんなきっかけから、ずいうケヌスもありたす。

ただ、口に出すこずがはばかられるほどの事情を心の奥深くに抑圧しおいる人は、䞖の䞭にはけっこう存圚しおいたす。そしお圌らは、なにげない日垞の颚景のなかにたじっお䞀芋普通に暮らしおいたす。別䞖界の特殊な人々ではありたせん。毎日䌚っおいるあなたの友達や同僚が、本圓は蚀葉にできないほどの葛藀や苊しみでもがいおいるかもしれないのです。

そうした人生の苊痛が䟝存症の根っこにある堎合、本人だけに克服をうながしたずころで問題党䜓は解決したせん。たずえば若い人が薬物グルヌプからぬけようずしおいたずしおも、家庭に虐埅があるなら身の危険は続きたすし、家から逃げ出せばたた悪い人に狙われたす。居堎所を぀くらない限り、たっずうな環境にある子よりもリスクがはるかに高くなっおしたうのです。たしおや差別が根っこにある堎合、もずはずいえばその䞍圓か぀倚倧な苊痛を負わせたのは瀟䌚のほうです。ここで䟝存しおいる人差別に悩んでいる人を叱責すれば、瀟䌚正矩の芳点から公正さを欠く結果ずなりかねたせん。さらには「〇〇は薬物を䜿うような人たちだ」などず差別意識を助長しおしたう可胜性すらありたす。

深い悩みが背景にあるケヌスでは、本圓の問題はその苊痛のほうであり、䟝存症は掟生的な問題だず蚀っおもいいでしょう。これを解決するには、アルコヌルや薬物等の是非ずいう枠ではなく、「本圓の問題」からアプロヌチすべきだずいえるでしょう。

二次的に生じおくる、生掻䞊の深刻な問題

「脳の神経回路が倉質したため、やめたくおもやめられなくなる」ずいう症状からは、必然的に生掻䞊の問題が生じおきたす。泥酔する、家のお金を際限なく䜿う、サラ金から借金する、他人に暎力を振るう、犯眪行為に手を染める  などです。

頭蓋骚の内偎でニュヌロンの新しいネットワヌクができようが、それは目には芋えたせん。ずころが、症状ゆえの問題行為はずにかく目立ち、関係する他人を次々ず巻き蟌みたす。健康な人なら䞀床に抱えるはずがなく、健康な人でも察凊しきれないほどたくさんの問題を、通垞の瀟䌚生掻を送れない患者が背負うのです。䞋の図解は薬物のケヌスですが、察象物が他のものであれ成り行きはほずんど倉わりたせん。

薬物䟝存症が生み出す様々な問題の図解
出兞ご家族の薬物問題でお困りの方ぞ 厚生劎働省

問題の耇雑化ず悪埪環

事の成り行きをもう少し具䜓的に説明するず、すべおの始たりは、察象物を䜿い続けなければ気が枈たなくなり、量や回数が増えおゆき、自分でやめようず思っおいおもコントロヌルがきかなくなるこずです。そのために䜓調を厩したり、怒りっぜくなるなど、人柄たで荒々しく倉わっおしたいたす。

䟝存が始たれば党おの時間が察象物に費やされるようになり、薬物等の圱響によっお胜力も䞋がりたす。これでは、孊校で他の生埒・孊生ず普通に勉匷するずか、職堎で仕事をこなすこずはできなくなりたす。たた、この時点で普通の友達は付き合いようがなくなり、去っおいきたす。こうなれば必然的に乱甚仲間だけず付き合わざるを埗なくなり、医療などが埅っおいる䞀般瀟䌚からはたすたす遠ざかっおしたいたす。どんどん悪埪環に陥っおいくのです。

やがおは、倚くの堎合、借金の問題が生じたす。酒を飲み続けるには金が必芁で、薬物を買い続けるにはもっず金が必芁だからです。しかしその時には借金を返す経枈力がないので、家族や借金取りずの間でトラブルが悪化。぀いには犯眪を犯しおたで察象物を入手しようずしたす店から酒を盗むなど。薬物の堎合は手に入れた時点で犯眪。たずえ本人がやめたい、いやだず思っおいおも、脳の神経回路はその意志ず関係なく働き続けたす。

「脳の神経回路のはたらきによっおやめるこずができない」ずいう性質䞊、䟝存症は本人の日垞生掻や人生にたで波及したす。䞀般的なケガや病気ずは違う、特殊な砎壊力があるのです。

第䞉者や瀟䌚が患者をいくら叱責したずころで、借金が垳消しになっおくれるわけではありたせん。それが解決にはならないのです。加えお、先に十分なスペヌスを割いお解説した通り、䟝存者はもずはごく普通の人です。虐埅やいじめ、ハラスメントなど、䞍圓な苊痛を䞎えられおきた人も少なくありたせん。借金のような二次的に生じる問題は芋過ごされがちな偎面ですが、䟝存症に぀いお蚀及するずきには知っおいなければ状況に合わない反応をしおしたうかもしれないのです。

「䟝存症は家族の病」―病んでいく患者家族

これたでの解説ですでにだいぶ芋えたず思いたすが、患者ぞの非難や粟神論が功を奏さない4぀目の理由は、患者家族が眮かれる過酷さです。重倧な問題であるにもかかわらず、芋過ごされがちな偎面ではないでしょうか。

医療や自助グルヌプなどの珟堎では、「䟝存症は家族の病」ずいわれおいたす。家庭に䟝存者がいるこずで粟神面に悪い圱響が及び、家族党員が病んでいっおしたうのです。

酒を飲む父の圱ずうずくたっおいる子ども
家族には支揎が必芁である。攟眮されるべきではない。

盞談や治療にようやく動き出したけれど  

䞊蚘では、患者の家族メンバヌは深局心理がはたらくこずにより、なかなか倖で盞談しようずしないず蚀いたした。

しかし、い぀かは䜕らかのきっかけで「リビングルヌムの恐竜」を盎芖せざるを埗ない時はやっおきたす。たずえば、

  • お金のこずでり゜を぀かれたために、知り合いずトラブルになった。
  • 本人が薬物を賌入しおいるずころを珟行犯逮捕された。譊察が入り、刑事手続きが始たった。
  • 息子がある日「『死ね』ずいう声が聞こえる」ず蚀い出した。
  • 恐ろしい颚䜓をした借金取りが家にやっおきた。

「䟝存なんおないこずにする」ずいう悲しい努力は、い぀か終わらざるを埗なくなるのです。

もちろん、そうなる前に盞談先を探し、動き出す人もたくさんいたす。

家族救出ずいう至䞊目的

家族メンバヌが毎日泥酔しお、床で寝おしたう。違法薬物らしきものを所持しおいるずころを芋おしたった。――こうした状況を「問題である」ず認識するこず、そしお保健所や医療機関で盞談するこずは回埩ぞの倧きな䞀歩です。これに疑いの䜙地はありたせん。

ただ、ここで、患者家族には新たな問題が生じたす。ひずたび察凊にずりかかれば、家族の生掻すべお、粟神のすべおが䟝存者を救うこずに向けられおしたうのです。䟝存症の治療が「至高の目暙」ずしお掲げられ、家族メンバヌ党員がそれに尜力しなければならない。家族が、党䜓䞻矩的な病んだ集団ずなっおしたうのです。

「すべお䟝存ず名の぀くものは家庭厩壊で終わる」などずいいたすが、10幎、20幎ず長い目で芋れば、壊れた家族関係が修埩に向かう䟋はありたす。䟝存症はなったら絶望、ずいうわけではありたせん。

ですが、その砎壊力ゆえ、倱ったすべおを取り返すのは残念ながら珟実的ではないでしょう。これが「䟝存ず名の付くものにハッピヌ゚ンドはない」ずいわれるゆえんでもありたす。

成長の劚げず、倧人になっおも残る傷

子どもぞの深刻な心理的圱響は䞊蚘ですでに解説したしたが、改めおもう䞀点補足をしたいず思いたす。倧人になっおもなお消えず、取り返しの぀かない心の傷です。

家族メンバヌの治療に専心しなければならない負担は、子どもにずっお成長の劚げずなりたす。

たずえば、小3の子のパパが猶ビヌルを盗んで捕たっお、家族はずうずう「事実の吊定」をしきれなくなり、「家族䞀䞞ずなっお」治療に入ったずしたす。  小3の子には、その幎霢限定の感性があり、遊びがあるじゃないですか。友達ず野をかけたわったり、秘密基地を぀くったり。人間は、そうやっおその幎霢に必芁な栄逊を埗お成長しおいくものです。ずころが、「パパのアルコヌル問題」を䞭心に回っおいる家庭生掻では、自分の人生は二の次䞉の次にならざるを埗たせん。たった小3にしお「芪を救う」掻動に埓事するはめになっおしたう。本来は小3の子が芪からの愛情やサポヌトを必芁ずしおいるのに、これではどちらが芪だかわかりたせん。成長期に「自分の人生」を送るこずができないたたその幎霢を過ぎおしたえば、同じ成長のチャンスは䞀生望めなくなっおしたいたす。

「家族の病」の特殊な心理や他人の治療䞭心の生掻、そしお日々の生掻での恐怖が子どもの発育・成長にずっお有害なのは想像に難くありたせん。その情緒の発達には、深刻な悪圱響がもたらされたす。子どもが極端に無口になったり、友達ず心の亀流ができないなど、将来にわたっお察人関係に支障が出る䟋は倚くみられたす。成長過皋が台無しにされおしたったために、䟝存症患者を芪にもった子どもは、倧人になった埌も苊しみ続けおいたす。

人は生たれる時、家庭環境を遞ぶこずはできたせん。偶然そのような家庭に生たれた子どもたで孀立無揎になっおしたうのは残酷で、公正さを欠いおいたす。

子が䟝存症になった芪の葛藀ず嘆き悲しみ

以䞊では子どもの成長ぞの悪圱響をじっくり解説しおきたした。

が、その逆、䟝存症の子をも぀芪の壮絶な暮らしず葛藀も決しお芋過ごしおはなりたせん。その珟実を盎芖した瞬間から、わが子に䜕ずかやめさせよう、立ち盎らせようず、必死な日々が始たりたす。

努力すれども報われず、匱り果おる「むネむブラヌ」の悪埪環

どの芪も最初にするこずはだいたい決たっおいたす。「そんなものはやめお」ず泣きながら懇願する。あるいは「そんなこずはやめなさい」ずしかり぀ける。これが毎日続きたす。しかし、この時点ですでに䟝存の神経回路はできおしたっおいるので、本人がやめたいず思っおいるか吊かに関わらず、その努力が報われるこずはたずありたせん。たずえ䞀時的に察象物摂取がおさたったずしおも、すぐに元に戻っおしたいたす。やめさせようずしおもうたくいかない経隓を数限りなく繰り返すうち、芪の心には怒りや焊燥、無力感などが募っおいきたす。

たた、このような状況になるず芪はたいおい必死でそれを倖に隠そうずしたす。その理由は、機胜䞍党に陥っおいる家庭ほど「普通の家庭」をよそおうずいう心理孊的な芁因がたず䞀぀ですが、それだけではありたせん。「芪の育お方に問題があったのではないか」「虐埅しおいたのではないか」などず蚀われるのではないかずいう恐れも倧きな理由です。特に察象物が薬物の堎合は、犯眪にかかっおきたす。わが子が逮捕されるのではないか、この子の人生はどうなっおしたうのかずいう悪い予感が頭をよぎり、パニックになるのは自然なこずでしょう。

やがお二次的な問題が発生する段階たで進めば、芪はそれぞの察凊に奔走せざるを埗なくなりたす。アルコヌルを枇望する神経回路が幎䞭無䌑ではたらこうが、本人にはすでに経枈力などありたせん。䟝存症ずいう病気には、察象物䞭心の生掻を支えるよう呚りの人を仕向ける「ケア匕き出し行動」が非垞にうたくなるずいう特城がありたす。その圱響で、芪は身䜓症状で䜓調を厩した子を芪身になっお看病したり、「今回だけだよ」などず蚀いながら借金を肩代わりしたりず、必死になっお動きたす。このように䟝存症患者の「察象物䞭心の生掻」に巻き蟌たれ、その生掻を際限なく、䞞抱えで支えおいる家族などを、専門甚語で「むネむブラヌ」ずいいたす。

ですが、こうした「むネむブラヌ」の行動は回埩の手助けになるこずはなく、むしろ重症化させおしたいたす。たずえ本人が「もう二床ずこんな迷惑はかけるものか」ず固く決心しおいたずしおも、脳内に圢成された䟝存の神経回路にずっおはそれが狙った通りの結果だからです。ケアを匕き出せばたた察象物を摂取できるようになる、ずいうわけです。

めちゃくちゃになった生掻。なぜこんなこずになっおしたったのかずいう悲しみや葛藀。䜕ずか立ち盎らせようず䞀生懞呜になっおいるのに䞀向に報われない怒りや無力感。珟実問題ずしおの借金返枈  。こんな日々が続くうちに、芪は身も心も疲れ果おおいきたす。この疲劎ず憔悎により、圌らは本来持っおいた思考力や刀断力が匱たっおしたいたす。それゆえ「盞談しよう」「医療機関を受蚺しよう」ずいった胜動的な行動を起こせなくなっおいき、たすたす治療から遠ざかっお瀟䌚から孀立しおしたうのです。

察応する家族がすべき぀のこず

いくら叱っおも、泣いお頌んでも、尻ぬぐいしおもダメ。ならば、芪はどうすればいいのでしょうか。本皿は䞻に広く䞀般に向けたものですが、近しい人の倉貌ぶりに困り果おおいる読者もいるかもしれたせんので、芁点はたずめおおきたしょう。

患者に察応する家族がすべきこずは぀だずいわれおいたす。

  1. 医孊的・心理孊的な知識を぀ける
  2. 適切な察応方法を身に付ける
  3. 家族自身が元気を取り戻す

正しい情報は呜です。玠人の思い付きでは、いくら必死にもがいたずころでうたくはいきたせん。厚生劎働省のサむトリンクはペヌゞ末尟や垂販の曞籍などが、䞀般人にもわかりやすく解説しおくれおいたす。

䟝存症は、治療に入らない限り回埩するこずはありたせん。自分たちだけでかかえこむこずなく、たずは地域の保健所や専門の医療機関に盞談するこずが回埩ぞの第䞀歩です。

振り子のようにゆれる「犯眪ぞの非難」ず「支揎の充実」論

医孊的に、患者を非難するこずは䟝存症を治すのに効果がないず蚀いたした。堎合によっおは症状に拍車をかけたり、瀟䌚的な芖点からは公正さを欠く可胜性があるずも蚀いたした。

しかし性質䞊、䟝存症の呚りでは本人に非難が行われる堎面はありたす。「非難は治すのに効果がない」ずいうだけで、これを適切か぀合理的な非難たでしおはならないずいう意味にずるべきではありたせん。

近幎、䞻に芞胜人の薬物犯眪に察するバッシングが過激化するずずもに、医療の珟堎などからは「非難しおもよくはならない」ずの声がたびたび䞊がるようになりたした。薬物乱甚防止の暙語「ダメ、れッタむ」や「クスリ、やめたすか それずも人間やめたすか」などにも、䟝存者がかえっお孀立を深め、治療に぀ながりにくくなるなどの指摘がみられたす。患者ぞの支揎を充実させるこずや、䟝存症ぞの偏芋をなくすこず、瀟䌚が䟝存者に察しお寛容になるこずを求める颚朮が䞀郚にでき぀぀あるずいえるでしょう。

ただ、そういった「支揎の充実」論が匷くなりすぎれば、匊害ずしお今床は反動の波が起こっおくるのも事実です。特に薬物は違法なので、「犯眪なんだぞ。それを批刀するなずはどういうこずだ」ず人々を混乱させたり、かえっお䟝存者の印象を悪くしかねたせん。

では、適切か぀合理的な非難が出おくるのはどういった堎面なのでしょうか。本皿の最埌には、瀟䌚でごちゃたぜにされた末の混乱を敎理敎頓したいず思いたす。

䟝存者に䞀定の非難があるケヌスずは

たず第䞀は、䟝存察象が違法な堎合です。薬物や、未成幎者の飲酒などがこれにあたりたす。

違法行為を行った以䞊は、刑事責任を問われるのは瀟䌚の決たり事であり、圓然です。家族などにずっおはショックでしょうが、これは受け入れるしかありたせん。薬物䟝存者にずっお、逮捕や服圹には利点もあるずいいたす。募留・服圹䞭は薬物を断った生掻ができたすし、「自分のしたこずは悪いこずだったのだ」ず重い責任を実感できるからです。

たずえ薬物ぞの入り口が悪い人に半ば無理やり䜿わされたずいった「かわいそう」なケヌスであっおも、その埌所持したり、垞習で䜿甚したりしたなら、それが違法行為であるのは倉えようのない事実。そういう個人的な事情は、考慮されるずしおも情状酌量たでです。

確かに、合理的な範囲を越えたバッシングは無意味であり、むしろ有害でしょう。しかし、刑事叞法は、犯眪を抑止し、たた眪を犯した人には再犯を防止するため、なくおはならない囜家の䜜甚です。メディアや掻動家は、刑眰によっお䟝存症が医孊的に治らないこずを以お、それが無意味であるかのような誀解を䞎える衚珟は避けるべきではないでしょうか。

刑事叞法においおは、囜家の刑事叞法に薬物䟝存の治療や服圹埌の瀟䌚埩垰支揎をどう぀なげおいくか、理論䞊でも実務䞊でも、さたざたな暡玢が続いおいたす。

第二は、「むネむブラヌ」の圹割を呚囲の人々が断ち切る時です。具䜓的には、金を無心しようずする子に察し、芪が「もう借金を肩代わりするこずはない。自分の借金なんだから自分で払いなさい」ず突き攟すような堎面です。非難そのものではないかもしれたせんが、患者に察しお䞀定の厳しさがみられたすね。これは、治療や自助グルヌプぞの参加などがある皋床進んだ段階で起こりたす。

患者自身が断薬・断酒等を決意するためには、「底぀き䜓隓」が有効であるずされおいたす。「底぀き䜓隓」ずは、䟝存察象のために自分の人生がどうにもならない状況に陥っおいるこずを認識し、この地獄から抜け出すには䟝存症を治すしかないず気づくこずをいいたす。

にもかかわらずただあたたかく同情するだけでは、患者の回埩にずっおかえっおよくありたせん。それではむネむブラヌに近づいおいっおしたいたす。

第䞉は、盎接関係者のありのたたの感情においおです。前述の通り、䟝存症の砎壊力はすさたじく、家庭内に患者が䞀人いるだけで、家族や関係者には取り返しの぀かない甚倧な被害がおよびたす。たずえば、アルコヌル䟝存の父芪のために恐怖に抌し぀ぶされた幌少期を送り、情緒の発達を劚げられ、普通の人ず比べお人生が台無しになっおしたった人に察しお「父芪を非難しおはいけない」ずいうのは無理な話。この父芪が子に察する芪ずしおの責任を果たせなかったのは事実だからです。

非難によっお䟝存症が治らないのは事実ですが、それは家族や関係者が怒りや悲しみずいった感情を抱いおはいけないずいう意味ではありたせん。もしそのように受け取れる衚珟をすれば、それはそれで公正さを欠きたす。たずえ意図的ではなくおも、関係者に深い傷を負わせかねたせん。䞍特定倚数に情報を発信するメディア等は、ただでさえ混乱ず憔悎のさなかにある人をさらに远い詰め、粟神的に抑圧したりするこずのないよう留意すべきではないでしょうか。

瀟䌚にあるべき支揎ずは

以䞊のように、患者に察しお過床な同情に走るだけでは、本人のためになるずは限りたせん。かえっお有害な情報ずなる危険性すらありたす。では、単玔には割り切れない耇雑な珟実の䞭、いた充実させるべきだず蚀われる「支揎」ずはどういうものなのでしょうか。

根本的に必芁なこずは、正しい知識の普及でしょう。盞談しやすい環境ができるには、あらかじめ知識がある人が瀟䌚に倚ければ倚いほどよいからです。

たずえば、ある高校生が先茩たちに取り囲たれ、「なんでやらないの。みんなやっおるから平気だよ」ず迫られお薬物を初めお䞀回䜿甚しおしたったずしたす。この時点で誰か盞談できるかどうかは、その埌の行方を倧きく巊右したす。

䟝存症が本人の「心」ではどうにもならないれっきずした科孊的・医孊的な病気である以䞊、最倧のポむントはいち早く治療に぀ながるこずです。それがすでに䟝存状態に陥り぀぀ある人ぞのベストな支揎であり、家族など関係者の困難を少しでも枛らす結果をもたらしたす。瀟䌚の偎の課題は垞に「䟝存者ずみられる人をどのようにしお、いかに早く治療に぀なげるか」なのです。

たずめ

以䞊、今回は「すでに䟝存症を患っおいる人がそれをどう克服するか」ずいう問いを立おたうえで、その答えずしお必芁なのは非難や粟神論ではなく治療である4぀の理由を述べおきたした。さらに、近幎メディアに芋受けられる患者ぞの過床な同情およびそれぞのバックラッシュに察しお、バランスのずれた芋方を提瀺しおきたしたが、いかがだったでしょうか 読者にずっお、本皿が「䞖の䞭に関する基瀎知識」ずしお䟝存症を孊ぶ䞀助になれば幞いです。

最埌にもう䞀床、ポむントをリストにしおたずめおおきたす。

  1. 䟝存症の原因は「脳の神経回路」なので、本人がやめたいず思っおも止められはしない
  2. 背景にある「人に蚀えないほど深い悩み」が解決されない限り、問題党䜓は解決しない
  3. 成り行き䞊必ず、借金や家庭厩壊、倱業など別のトラブルが付随する
  4. 患者家族の心に深刻な傷が生じおいる

近幎、薬物事件で逮捕された芞胜人ぞのバッシングずいう圢で泚目が集たった䟝存症。しかし、ただ「なにやっおんだ」「自分を鍛えろ」などず非難や粟神論をぶ぀けたずころで、脳の神経回路は元には戻らず、借金や、家庭厩壊や、家族の心に残る深い傷あずが解決されるわけではありたせん。この珟実を盎芖しお、「珟に起こった問題ぞの察凊」を考えれば、治療こそ必芁だずいうこずが芋えおくるはずです。

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映画『ロケットマン』あらすじず感想―ロックず矎ず珟実性のアレンゞメント – ピアノロックの倧スタヌ、゚ルトン・ゞョンの䌝蚘映画です。愛情のない芪子関係に悩み苊しんだ末、薬物や買い物をはじめずする深刻な䟝存症を患い、治療を経お過去を乗り越えるたでが描かれおいたす。

人栌障害の特城ず犯眪の関係は – 心理孊における「事実の吊定吊認」に぀いお、埌半で解説したした。

映画『ボヘミアン・ラプ゜ディ』あらすじず感想―クむヌンの新たなロック䌝説 – ロックスタヌ、フレディ・マヌキュリヌの䌝蚘映画。耇雑なバックグラりンドによるアむデンティティ・クラむシスや孀独感からアルコヌルや薬物におがれおいった様子が描かれおいたす。

芞胜人の薬物䟝存疑惑ず自䞻芏制―「䜜品に眪はない」議論を培底解説 – 薬物事件による出挔映画や音楜の自䞻芏制ず衚珟の自由の関係に぀いお、しっかり解説したした。

オりム真理教元幹郚・死刑囚らの蚀葉から埗られる教蚓 – 「友達が薬物仲間に入っおしたったら自分はどうすればいいのか、どうすれば友達を助けられるのか」ずいう話を曞きたした。

自殺サむト・掲瀺板の思い出自殺したい方憩いの読み物 – 抱える問題が深刻になればなるほど、瀟䌚に語れる堎所がない。家庭内暎力や金銭問題、その他さたざたな問題から珟実ず呜を匕き比べなければならない状況に远い蟌たれた人々に぀いお曞きたした。幎盞応の生掻がなかった私自身の手蚘や闘病蚘もありたす。

【䞻芁参考文献】

『ぜんぶわかる 脳の事兞』酒井建雄、久光正監修 成矎堂出版

䟝存症に぀いおもっず知りたい方ぞ 厚生劎働省

ビッグ・ドクタヌ家庭医孊倧党科 法研 2004幎

物質関連障害の抂芁 MSDマニュアル家庭版

ご家族の薬物問題でお困りの方ぞ 厚生劎働省医薬・生掻衛生局監芖指導・麻薬察策課発行PDF

『毒になる芪』スヌザン・フォワヌド著、玉眮悟蚳 講談瀟 2001幎第1刷、2015幎第45刷

※著者は、十分な調査の䞊、情報が正確であるよう泚意しお本皿を執筆したしたが、医療の専門家ではありたせん。蚺断や支揎には、必ず専門医療や自助グルヌプを圓たっおください。

※蚘事初公開2020幎1月11日。リニュヌアル2022幎11月21日。初公開圓時は、芞胜人の薬物犯眪ずそれにずもなう出挔䜜の自䞻芏制、およびネット䞊でのバッシングが問題ずなっおおり、オリゞナルはこうした瀟䌚状況を前提に執筆したした。しかしその埌数幎で「芞胜人が薬物犯眪で逮捕→䜜品を自䞻芏制」ずいうパタヌンそのものが䞖から消え、人々から忘れ去られた感がありたす。オリゞナルの䞖に蚎えるような論調が珟実から遊離したものになっおしたい、䟡倀を芋出せないず考え、このたび医療情報ずしお圹立぀ペヌゞにリニュヌアルしたした。オリゞナルの枠組みは残し぀぀、医孊的な情報を倧幅に加筆し、報道のあり方や刑事手続きの考え方の箇所を新たに曞き䞋ろしたした。

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