Forest:「スマホ依存を断つアプリ」紹介&感想

スマホアプリは多様です。SNSで一日中スマホの画面から目が離せない、動画やゲームで時間を無駄にしてしまう……と悩む人が数知れずのこの時代、「スマホ依存を防止するスマホアプリ」たるものがあるのをご存じでしょうか?

筆者はかれこれ2年以上スマホ依存防止アプリ「Forest」を使っていて、折にふれてはTwitterでシェアしてきました。今回は、スマホ依存を断ちたい方に向けたForestの紹介とともに、私がこのアプリのどんなところをおもしろいと思っているかをこちらブログのほうにまとめて書いてみようと思います。

スマホ依存とは?

一日中、ひまさえあればスマホをいじっている。四六時中スマホの中の世界に入り浸ってしまう……。こういった生活に陥ることは、しばしば「スマホ依存」と呼ばれています。

じつは、スマホ依存という言葉の「依存」は、ほとんどの場合、一種の比喩というか、慣用的な表現です。医学的な「依存症」とは別物で、「やめられない、どーしよー」くらいの軽い語感なんですね。

リンク:依存症とは?(新しいタブで開きます)

そもそもスマートフォンは「電話付き簡易パソコン」のようなもの。買いたてではからっぽの端末にすぎなかったのが、電卓アプリをタップすれば電卓に、音楽アプリを利用すれば音楽プレーヤーに、ゲームアプリをインストールすればゲーム機に……と、スマホはアプリによってさまざまに使える機械です。なので一口に「スマホ依存」といっても、SNS上のやりとりから手が離せないのか、動画にへばりついているのか、ゲームに夢中になっているのか、やっているアプリによって話はまったく異なります。

ただ、いずれにせよ、画面から一日中目が離せないとなれば、問題が生じてくるのは事実です。

なんといっても深刻なのは、気が散ってせっかくの時間を無駄にしてしまうという悩みでしょう。SNSでいいねや返信に奔走するのもそうですが、動画だったりゲームだったり、スマホの中はいつでも娯楽花盛り。受験生にとって、スマホは勉強の邪魔になる誘惑のかたまりです。

ノートが置かれた机についているスマホ依存の女性
やるべきことをほっぽらかしたまま、ついこんなふうに……。

このようにずるずると時間を無駄にしてしまうだけではありません。スマホ依存は、人間関係にも影を落とします。スマホを見つめる時間が長くなれば、それと反比例して会話が減るので、すぐそばにいるはずの家族や友人と心の距離が離れかねないのです。周りが話しかけても画面に目を落としたまま生返事……などとなれば、相手がカッとなることもあるでしょう。

さらに、健康への被害もあります。スマホは縦15センチもなく、横幅はせいぜい6~7センチ。こんな小さな画面を長時間見つめているのですから、目への負担は大きく、操作する指が腱鞘炎になったり、ひじ、肩の痛みが慢性化した人も多く出ています。頭痛の原因にもなります。

アプリをタップしかけた指をどうやって止めるか、いかにしてスマホから離れる時間をつくるか。多くの人がそんな課題にぶつかっている今、そのスマホアプリでスマホを断つというユニークなアイデアから生まれたのがForestです。

Forestとは?

「Forest」は、木を育てて自分の森をつくっていくというカジュアルなゲームの形をとった、スマホを置いてやるべきことに集中しようという仕事効率化アプリです。

利用は基本無料です。有料のプロバージョン(250円)を購入すれば、広告の削除やいくつかの機能をアンロックすることができます。

スマホを置いて集中する時間は、木の周りの黄緑のバーで10分~2時間の5分刻みでセットできます。

Forestアプリの始める画面
集中する時間をセットしたら、いざ植樹。

「始める」を押せば植樹スタート。

Forestアプリの芽
小さな芽が出た。

最初は芽だったのが、時間を追うごとに育って大きくなっていきます。このままタイマーがゼロになるまで他のアプリにさわらなければ……

Forestアプリのリンゴの木
やったー!無事最後まで育ちました!

無事、健康な木が育ちます。

植樹成功で自分の森に増やせる木の本数は、最大が120分で4本。90分で3本、60分で2本、60分未満だと1本で、ほか20分で育つ低木(ひまわりやバラ、スイカやキノコなど)もあります。集中する時間に応じて使い分けるといいでしょう。

木が育った時に報酬としてもらえるコインは、ストアで新しい樹種をアンロックするのに使えます。私は、仕事中は落ち着きのある木、休む時はハンモック付きのヤシの木などとイメージで選んだり、4月には桜、7月は竹、秋にはモミジとイチョウばかりを植えて季節を味わったり、イベント中は「これって木なの?」と笑える木(下記イベントの項を参照)で森をうめつくしたりと、樹種を増やして楽しんでいます。

Forestアプリの樹種を選択
さまざまな種類の木を育てれば、自分の森が色とりどりに。

こうしてスマホをいじらなければ木は健康に育ちますが、集中を破って他のアプリへうっかり手を伸ばしてしまうと……

Forestアプリで携帯をいじったから枯れた木

木は枯れてしまいます……。(画像はチュートリアルからの抜粋です。この記事のためにわざわざ木を枯らすのが癪だったんですよ。枯れた木なら、誘惑に負けた時に見られます。)

このように、スマホから離れて大事なことに集中しつつ、木を育てて自分の森をつくっていく。それがForestというアプリです

Forestアプリの2020年1月の森
筆者の2020年1月の森。新しい樹種が出たらそれをたくさん植えてながめてみたりと、ちみちみ楽しめる。

Forestの使い心地

私は、Forestは技術面とデザイン面、二つの面でおもしろいと思っています。

スマホで遊ぶ時間を自分の力で区切ろうと決意したとしても、アナログな方法では区切りはあいまいです。「あとちょっと」などと言っているうちにずるずると伸びてしまいかねません。その点、Forestは他のアプリをタップすればすかさず動作を検知して、警告を発してきます。スマホの内側から、デジタルにロックをかけられるんですよね。

そういった技術的な面に加え、ガマンを楽しくできるというところがいいですね。何事も彩りが肝心、楽しくできるに越したことはありません。なにも「スマホを断つ!」などと気合と根性を掲げなくとも、スマホ依存から脱するという目標を達成できればいいのです。Forestはグラフィックがオシャレだし、なによりユーモラスなんですよ。「木が枯れかけています」と警告されたらすぐにそのアプリを閉じなければ、自分の森には誘惑に負けた悲しい枯れ木が残ることに……。スマホを手にとった時、育ちかけの木が目の前に現れれば「やーめた。あとでいいや」という気になります。ただの精神論にご利益はありません。無理なく目標を達成する方法を編み出すのだって、人間にとっては大事な知恵じゃないですか。

そんなForestの使い心地は、ソーシャルメディア・デトックスをよく似ているように感じます。

リンク:ソーシャルメディア・デトックスでリフレッシュ!(「SNS疲れのパターン4選&リフレッシュ方法」より)

ソーシャルメディア・デトックスというのは、1週間なりなんなり一定期間SNSを完全に断つというもので、いいねや返信のプレッシャー、人間関係のストレスでヘトヘトになった現代人のリフレッシュ法として効果大なのですが、Forestで木が育っている間というのは、言ってしまえば「スマホデトックス」といえるでしょう。つい触ってしまうスマホですが、Forestで触れない状態にしてみればなんのその、解放感は格別だと思いますよ。

じつをいうと、私の場合、スマホ依存は最初からあまり心配していませんでした。「大は小を兼ねる」ということで作業のほとんどはパソコンですし、元来人とだらだらつながっているのを好まない性格だったからです。それでもガラケーからスマホに機種変更した時、アプリ紹介ページでForestを見つけて「これいいな」と思った理由の一つは、やっぱりけじめをつけたいという思いがあったからでした。

「スマホを断つ」という用途だけではありません。私は、Forestは自分への信頼や自信を育てるのにも役立つと思っています。たとえば60分にセットして運動を始めたり、120分にセットして仕事を開始したりすれば、木が育った時には「今日は1時間運動できたな」とか「2時間集中して作業を進められたんだ」といった自負を得られるんですよね。

そのほか、私は休憩や遊びの時間に木を育ててのんびり豊かな時間を過ごし、「1時間たっぷり休めた!」と満足感にひたるのも好きだったりします。

私はそういうところが好きで「Forest」を長らく愛用してきたんだと思います。

必要なアプリは使える!「許可リスト」

と、ここまで聞いてForest初めての方は「それだと困るな……」と直感したかもしれません。というのもスマホの使いようは入れたアプリ次第なので、勉強用の辞書が入っている、仕事でメッセージアプリを使っている、といった人はめずらしくないからです。

こういうところは「スマホ依存を断つアプリ」というだけあって、使い勝手よく作られています。

プロバージョンの機能に「許可リスト(ホワイトリスト)」というのがあって、一部のアプリは起動しても木が枯れないよう自分で設定できるのです。

Forestアプリの許可リスト
チェックを入れたアプリは集中時間の途中でも利用できる。遊びのアプリはチェックを外して、触ったら警告を発してもらおう。

私の場合、二段階認証アプリはいつでもどうしても必要で、LINEは仕事の関係者と連絡に使っているので、許可リスト(昔は「ホワイトリスト」と呼ばれていた)はとても重宝しました。

これで心おきなくForestを始められるのではないでしょうか。だからといってあれもこれも許可するとForestの意味がなくなってしまうので、私はしばらくチェックをつけたりはずしたり微調整していましたね。

プロバージョンの機能リスト

そんな便利な許可リストをはじめとするプロバージョン限定の機能をリストにしました。

  1. Forestのアカウントをつくって森をクラウドに保存(スマホを機種替えしてもデータを引き継げる)
  2. ソーシャル機能(下記参照)
  3. 本物の木を寄付できる(下記参照)
  4. 許可リストで一部のアプリを使えるように
  5. タグのカスタマイズ(「勉強」「休憩」など、何に集中したのかをタグで分けられる)
  6. 詳しい統計データ(どんなことに集中したのかや集中していた時間帯をグラフで確認できる)
  7. アチーブメント達成で追加報酬コインをゲット
  8. 広告を非表示にできる
  9. 自分を応援するフレーズをカスタマイズ
  10. データのエクスポート

許可リスト、「一緒に植える」機能のオンオフ、フレーズのカスタマイズ、広告非表示はアプリ内の「設定」から行えます。

アプリ内ではなく、地球に本物の木を植えられる!

私が思うForestいちばんの長所、それは「本物の木」です。

木が無事育ったときにもらえるコインの使い道は新しい樹種のアンロックですが、じつはそれだけではありません。Forestの運営会社・SeekrTechはアフリカの国々で植樹の活動をしている団体・Trees For The Futureのスポンサーとなっていて、2500コインを使うと1本、会社を通して地球に本物の木を寄付してくれるのです。

Forestアプリで地球に木を植える
筆者が地球に5本目の木を植えた時の記念。当時は累計36万本余りだった。

私にとって、「地球に本物の木を植えられる」という企画もまた、スマホに機種変更してすぐ「このアプリやってみようかな」と目に留まった理由の一つでした。寄付を含む社会貢献というのは、一見すばらしいことのようで本質的には複雑な分野です。人は誰しも「人の役に立ちたい」という本能をそなえていますが、自分に重い負担がのしかかったら続かないし、そもそもそれって偽善じゃないのかという根深い疑問がある。そこをいくと、楽しいアプリを使いながらさりげなく寄付に参加できるなら、そういった問題や害毒は生じません。こうして地球に本物の木を植えられることはForestの特長として打ち出されており、これによって世界中からファンを集めているのだから、企画からしてつくづくユニークなアプリだと思います。

この「本物の木」が、私が「ぜひともForestを」と読者に宣伝したい理由です。毎日毎日せせこましい画面にくぎ付けになって大量な時間を無駄にしているなら、スマホ依存解消がてら、地球に本物の木を植えてみるのはいかがでしょうか?

Forestの地球に木を植える活動
全ユーザーの植えた本数はどんどん増えている……!

独立したソーシャル機能

Forestのプロバージョンにはソーシャル機能がついています。アンロックすれば、Forest内で他のユーザーをフォローしたり、つながっている仲間での集中時間デイリーランキングを見ることができたり、グループでいっしょに植樹したりできるようになります。

このソーシャル機能は、TwitterやFacebookなど外部の大手ソーシャルメディアとは関係ない、Forest内だけで完結するオリジナルです。

私はForestでいろいろな人と相互フォローしています。Forestのソーシャル機能は相手とつながっているだけでそれ以上の負担がなく、インスタグラムのいいね疲れ、LINEでの返信をすぐ返さなければならないプレッシャーといった厄介ごとの心配がありません(スマホ依存防止アプリだけに!)。なので、人とだらだらつながるのを好まない私でも、リクエストが来たら誰でも無条件にフォローを返しています。こうして気軽に楽しめるところも、私はForestを気に入っている理由です。

もりあがるForestイベント

Forestでは時々イベントが行われています。

毎年行われているイベントには、旧正月(運営が台湾の会社なので新年のお祝いは春節のほうなんですね)、4月22日ごろのアースデーイベント、アプリのアニバーサリーイベントなどがあって、期間中に一定本数の木を植えると限定の樹種をもらえたります。個人的には12月のクリスマスイベントを楽しみにしていますね。

Forestアプリ12月
クリスマスモードを入れると、木にはクリスマスの飾りが、森には雪が!

普段からコインでアンロックできる樹種にも、タコだのネコだの、おもしろ系はけっこうあります。なかにはそういうのばかりを植えている人もいるようなのですが、イベントの時は木のデザインのぶっとびかたがまた一発違うんですよ。こんなふうに……

Forestアプリのケーキの木が育った
立派な木ですねー(笑)

「これ木かよ!」と吹き出すのは木が育った時だけではありません。ケーキの木を植えまくったら……森は、森はどうなるでしょう?

Forestアプリ2019年5月6日の森
イベント期間の筆者の森。そう、これは森です。

断じて、これは森です。ケーキバイキングのトレイではありません。……私はForestのこういうユーモラスなところもけっこう気に入っているんですよね。

ほか時々、Twitterなどで「新しい樹種デザインコンテスト」も開催されています。

結びに―ぜひ一緒にForestを!

スマホアプリは多様です。使うアプリ次第で、スマホはSNS、ゲーム、動画などさまざまな機械に七変化します。夢中になってついだらだらしてしまう、一日中つきっきりでいいねや返信に奔走している……使いようによっては、そうなるのも無理ないでしょう。

人々をとりこにするのがスマホアプリなら、そんなスマホ依存を止めるのもまたスマホアプリ。Forestは、スマホというからっぽのマシンを自由自在に解釈し、ひねりのきいたクリエイティブなアイデアから生まれたアプリだと思います。

私はForestをごくカジュアルなゲームとして、またTwitterで他のユーザーとシェアする娯楽としても楽しんでいます。

Forestアプリの2019年の森
私の2019年の森。たくさん植えました……!

今回こうやって記事にまとめながら、私は何かこう、Forest内でいろんな人とつながれないかなぁなどと思い描いたてみたりもしました。ただ、読者にリクエストを送ってもらうには自分のメールアドレスを載せなければならないし……ワールドランキングからリクエストしてもらうにしても私はめったにランクインしてないし……うむむ、どうしたものか……。まぁ、そちらはゆくゆく考えるとして、スマホ依存を断ちたいみなさんは、その第一歩としてForestの森に足を踏み入れてはいかがでしょうか。

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